hirax.net::Keywords::「ネーミング」のブログ



2000-01-17[n年前へ]

夜のバットマン 

超音波を可視化しよう

  どんなものに対しても、「超」という文字をつけるという安易な手段はよく使われる。「超人ハルク」、「超常現象」、「超能力少年」、「超解像」等々である。「超Ultra」+「人 Man」ならば「超人 Ultra-Man」、すなわち、ウルトラマンだ。こういう風に並べてみると、何かアヤシげなものが多いような気がするが、それは私の気のせいだろう。

  「超」をつければ、「モノスゴイ」という印象を受けるかというと、必ずしもそういうわけでもない。最近、「お笑いパソコン日誌」でよく取り上げられているBTRON仕様OS「超漢字」などは、その最たるものである。個人的には好きなネーミングなのだが、その名前を聞くと昔の「超兄貴」というゲームを思い出してしまうのだ。筋肉ムキムキなマッスルな兄貴達が動き回るゲームが思い出されるのだ。そして、そんなマッスルなデスクトップのイメージが連想されてしまうのである。困ったものである。

  「超」の発音は同じ日本人でも一定というわけではない。あまりものを考えないタイプの人の場合、「超」でなくて「チョー」という発音するらしい。その使用例が、「チョー、ムカツクー」などである。これらの人を「チョー人」と呼ぶべきである(既に誰かが言っていそうな気がするが...)。

  何故、こんな話になるのだ。話がずれた。

  本題である。今回遊んでみるのは「超 Ultra」+「音波 Sonic」=「超音波UltraSonic」である。色々な応用はあると思うが、まずは基礎から始めたい。そういった場合、色々やり方はあるのだろうが、まずは実感するのが「できるかな?」のやり方である。そこで、まずは超音波を実際に聞いてみることにした。

  普通は聞こえない周波数の音波を超音波というわけであるから、超音波を聞くというのは何ともスリリングである。参考までに、色々な動物の可聴域を以下に示す。
 人間は大抵20kHz前後が上限であり、コオロギと同じくらいである。超音波と言えば、コウモリであり、コウモリは200kHz弱位が上限のようである。

色々な動物のの可聴域
(立体視の不思議を探る 井上弘著 オプトロニクス社より)

   まずは、超音波を聴くための情報を探してみた。すると、何とも素晴らしいサイトがあった。

である。超音波を可聴域に変換する回路の話が掲載されている。超音波を聞こえるようにする機械は、一般的にバットディテクターと呼ばれるらしい。しかもこのサイトの中のバットディテクターを作る話の所には「メーターの変化、デジタル数値やオシロスコープの波形ではなくて実感したい。」と書かれている。本当に、その通りである。

  また、コウモリ探知器である。バットディテクターに関しては、

などにも詳しい情報がある。

  迷わず、先の「がーさんとたぬさんのホームページ」の「釜利谷東ミックスシーズ」から、バットディテクターを購入することにした。こういう楽しいオモチャはすぐに手に入れるに限る。これが、購入したバットディテクターである。

釜利谷東ミックスシーズ バットディテクター

  このバットディテクターは超音波マイクからの入力を40kHz程度の周波数の信号と合成するものである。そして、その結果得られるビート音、うなり音を耳で聞くものである。

  わからない人はほとんどいないと思うが、一応書いておく。例えば、10Hz周波数の音があるとしよう。

10Hzの音の10秒間の波形

  この波形は細かすぎて、この画面では目に見えないだろう。しかし、この波形と11kHzの周波数の音を合成してみる。

10Hzの音と11kHzの音の合成音の10秒間の波形

  すると、10kHzと11kHzの周波数の差である1Hzのうなりが発生する。この1Hzのビート音の波形は目に見えるだろう。こういう原理である。
 しかし、これでは実は説明が不十分であると思うのだが、今回はこれだけの説明で終わらせておくことにする。

  さて、どんな超音波を聴くかであるが、「できるかな?」の実験を行うときには、大抵ビールを飲んでいるのである。今日もビールとお好み焼きがそばにある。そこで、お好み焼きを焼く音を

  • 可聴域
  • 超音波領域
で可視化してみることにした。

  もちろん、私自身は自分の耳で実感しているわけである。しかし、WEBページ上であれば、可視化した方が良いだろう。waveファイルはサイズが大きいし...

お好み焼きを焼く音を可聴域で可視化したもの

  途中のスパイク部はお好み焼きをひっくり返した時の音である。レベルを合わせているわけではないし、実験は実に大雑把なものであるが、そんなに真剣に行う実験でもないのでこれで良いことにしておく。

お好み焼きを焼く音を超音波領域で可視化したもの(実際はビート音)

  硬いものと何かを擦ると超音波が実に多く発生するが、絨毯みたいな柔らかいもの相手ではあまり超音波が発生しなかったりして実に面白い。衣擦れの音などは実にリアルである。何か色っぽい音ですらあるように感じる。(それは私だけかもしれないが...)

  超音波に関してはまだまだ色々とやってみたい実験がある。実は以前秋月で買った超音波マイク・スピーカセットが家に転がっていたりする。これを使って、次回は超音波オモチャを作成してみたいと思う。

  さて、今日はTVで「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」を放映するようだ。バットマンの映画は何故か夜の街が舞台である。
 バットマンと言えば、Bat(コウモリ)+Man(男) = コウモリ男だ。このTVを見たあとの私はきっとバットマンになりきっているだろう。バットディティターを耳に差せば、私だって堂々たるバットマンだ。
 
 というわけで、バットディテクターを耳に差し若葉マークをつけたバットマンは、夜の街へ出撃するのであった。夜のバットマンは眠らないのである(下品なギャグ禁止)。

2000-06-18[n年前へ]

「大人の科学」発売決定 

しかし、ネーミングは誤解を受けやすいような?考えすぎか。(リンク

2001-02-01[n年前へ]

πr事情展 

 あはは、なんて素晴らしいネーミングなんだ。し・しかし、しかし… > from お笑いパソコン日誌。(リンク)(リンク

2001-07-01[n年前へ]

小さな掌に未来の地球儀をのせて 

この手で地球を作ってやろう

 先日、「サラリーマンとして会社に入ったからには社長を目指すのが当り前」と言う人とじっくりと話をしていた。まぁ、その話の内容はそれはそれで結構面白かったのだけれど、何故かその時私は映画の1シーンを思い出してしまった。チャップリンの映画「独裁者」の中で、世界制覇を目指すヒンケルが地球を模った風船を抱きしめようとして、結局その風船を割ってしまうあのシーンである。

 私と話す相手の背中のずっと向こうにその地球の風船を眺めながら、私はそれとはちょっと違う地球儀をさらに思い浮かべていた。それはこんな正二十面体の小さな地球儀である。正二十面体の表面に地球の表面の写真を描いたものだ。
 

小さな正二十面体の地球儀

 大学の教養の頃だったか、それとも大学院に入ってからだったか覚えていないのだけれど、こんな「正二十面体の地球儀」を先生の一人がよくポケットから出して使っていた。それは、もしかしたら今考えてみればFullerが作ったDymaxionMapに影響されたものかもしれないし、その先生が独自に作ってみたものかもしれない。その辺りのことも聞いたことがあるような記憶もあるのだけれど、聞いた内容はもうとっくの昔に忘れてしまった。ただ、ポケットから小さな地球儀を手品のように取り出す仕草がとてもかっこよく見えたことは覚えている。

 小さな、だけど立派に地球儀の役を果たす正二十面体をサッとポケットから取り出す仕草は、まるでのび太のために秘密道具をポケットから取り出す「ドラえもん」のようだった。もしかしたら、私に「独裁者」のヒンケルより大それた「ドラえもんになりたい」という野望を持たせるに至った理由の一つは、その小さな正二十面体の地球儀にもあったのかもしれない。
 

 その先生が自分で作って持っていたのは、たった一種類の地球儀だけだった。だけど、そんな正二十面体の表面に色んな写真や地図、例えばそれは衛星写真であったり、国別に塗り分けられた世界地図であったり、あるいは月の表面の写真であったり、を貼り付けて色々な地球儀や月儀を作ってみたい、とその頃からずっと思っていた。そこで、そんなことができそうな道具を探してみると、

にある「緑の地球」なんかを使えばできそうな感じである。しかし残念ながら、動作環境OSがあの素晴らしき「超漢字」なのだった。超漢字というネーミングも実に素晴らしいが、OS自体も素晴らしすぎて、もったいなさすぎて、私は未だ使ったことが無いのである。それどころか、未来永劫これからも使うことが全く無さそうな気がするくらいなのである。これでは、残念ながら「緑の地球」を試すことができない。

 しかし、少しばかり考えてみれば「道具をサッとポケットから取り出すドラえもんになりたい」と野望を持つくせに、道具を探すばかりではあまりに恥ずかしい態度ではないだろうか。ドラえもんが人の道具に頼ってばかりでどうする?というわけで、急遽そんなことができるソフトを作ってみた。それがこのIcosahedronである。というわけで、いつものごとく「必要は発明の母」で「父は私」なのである。

 とりあえず、このIcosahedron.exeを使うと、Windows Bitmapファイルとして保存されたメルカトル図法の地図を、正二十面体の展開図に変換した後に、Bitmap画像に保存することができる。

 Icosahedron.exeの使用手順は次のようになっている。いつものように「動いてしまえば、ハイそれまでよ」というプログラミング態度なので、ボタンを押す順番が違うと動作しなかったりするけれど、その時は単に動かないだけで、大した問題はないと思う(多分)。
  1. Loadボタン → メルカトル図法で描かれた地図ファイルを読み込む
  2. Resizeボタン → 作成する正二十面体のサイズを決める。プリンタでの出力解像度、正二十面体の直径(とは言わないかな)を決める。
  3. Convertボタン → 正二十面体の展開図を作成する
  4. Saveボタン → Windows Bitmapファイルとして正二十面体の展開図を保存する
Icosahedron.exeの動作画面

 画面の上半分に読み込んだメルカトル図法の地図が表示され、画面の下半分には作成した正二十面体の展開図が表示される。もっとも、正二十面体の展開図の「のりしろ部分」は一部表示をはしょっているので、下の訂正図を参考にして切り取って欲しい。
 

「のりしろ部分」の訂正図

 上の図のような正二十面体の展開図をプリンターで出力して、さらにそれを切り取って、正二十面体の地球儀を組み立ててみたものが下の図である。
 

作成して切り取った正二十面体の展開図(左図)と
それを組み立てた正二十面体の地球儀(右図)

 ところで、私がかつて在籍していた研究室は「理学研究科 地球惑星科学専攻地球物理学分野 測地学講座」という名前なのである。その名前を見れば一目瞭然、私はまさに「地球を描くための英才教育」を受けてきた?のである。「その実力を見せてやれ」というわけで書いてみたのが下の図だ。これが「私の世界地図」である。
 

これが私の世界地図

 確か地球ってこんな感じ?というわけで書いてみたのだが、どうもおかしい。いや、はっきり言えばかなりヘンである。アメリカ大陸の辺りなんかむちゃくちゃ無理がある。コロンブスが使っていた大航海時代の(アメリカなんかなかった頃の)地図の方がよっぽど正確に違いないのである。そう私には地球を描く実力なんかはなから無いのであった。そう、哀しいけれどこれっぽちも無いのである。

 いや、そんなことはどうでもいいのだ。とりあえず、私の世界地図を使って「私だけの地球儀」を組み立ててみたのが下の写真である。
 

これが「私だけの地球儀」

 まるでSF映画の異世界の星みたいな感じになってしまったが、誰が何と言おうとこれが「私だけの地球儀」なのだ。世界にたった一つの私だけの地球儀なのである。

 もちろん、私には私だけの地球儀があるが、それは誰しも同じハズである。十人十色、十人の人がいれば十個の地球儀があるはずだ。だから、こんな「私の地球儀」だけではなくて、これを読んだ方はぜひぜひ色んな地図を書いたり、手に入れたりして、色んな地球儀(それとも月儀、メルヘンちっくな人だったら例えば「星の王子さま」の「星儀」なんてのもいい感じかも…etc.)を作成してみてもらいたいなと思う。

 そして、特に世界地図を覚えているわけもない小さな子供達に世界地図を書かかせてみて、そしてこんな正二十面体の地球儀を組み立ててみたらきっと面白いことだろう、と思う。「独裁者」の中のヒンケルみたいに地球の風船を抱きしめて遊ぶなんて、とてもイヤな感じだ。けれど、小さな子供達がそれぞれの世界地図を描いて、その世界地図で正二十面体の地球儀を作って、そしてそれぞれの小さな掌にその正二十面体の地球儀をのせて遊ぶ、なんてのはとても素晴らしく良い感じだと思う。

 子供達がどんな世界地図を描くかは想像もできない。きっとずいぶんとヘンテコな世界地図がイッパイ出来上がるに違いない。そして、そんな世界地図から生まれる地球儀だって、奇妙奇天烈なものになること間違いなしだ。
 だけど、その地球儀はもしかしたら未来の地球儀かもしれない。だって、子供達が未来の地球を作るということも、それもまた事実なんだから。子供達が小さな掌に未来の地球を乗せて作っていくのだから、この正二十面体の地球儀は本当に「未来の地球儀」に違いないと思うのだ。
 
 

2001-10-11[n年前へ]

ウェブサイトを閲覧するユーザーの心理を解析するシステム 

 シックスセンス・レポートという辺りのネーミングが何とも怪しく笑ってしまうが、こういうのも面白い仕事かもなぁ。(リンク



■Powered by yagm.net