hirax.net::Keywords::「ビール」のブログ



2007-11-16[n年前へ]

「美味しさを生む変化」と「老舗の銘菓」 

 美味しいものが、食べるとき・飲むときに感じる不均一さや変化といった「違い・移り変わり」にいよるものが大きいのだとしたら、美味しさと大量生産・長期保存は背反することになりそうだ。たとえば「堅さと柔らかさ」の両方を兼ね備える美味しいスパゲッティ、堅さと柔らかさの間を変化しつつある「皿の上のスパゲティ」はを長期保存するということは簡単にはできそうにない。あるいは、「ジョッキに注がれた黄金色のビールと白い泡」もその状態はごく短い時間しか続かない。老舗の銘菓に関する記事を読み、相反する美味しさと大量生産・長期保存を繋ぐこと、不規則に揺れ動く需要の波に対応すること、はきっと大変なんだろうと考えた。

 、美味しさを生む変化や不揃いを作る技術や、それを長続きさせる技術の歴史はどういったものなのだろう。そして、そういった具体的な製法・技術とは別に存在するだろう、食べる側・飲む側が「美味しさ」を想像する助けとなる観念的なものには、どんなものがあるだろう。たとえば、「老舗の歴史」や「食べ物の由来」のような、飲食をより楽しめるような食べ物の背景にある物語の効果はどのくらいあるのだろうか。

プッタネスカ(娼婦風スパゲティ)再編で巨大化する欧州のビールメーカートマトの冷製パスタ焼き肉






2008-03-23[n年前へ]

「カラオケの(迷った時の)あの頃検索」と「とりあえずビール」 

 私たちが乗った魔法の「ライブ・トレイン」の「ライブR35」が行われるきっかけになった音楽アルバム「R35」を聴くと、1990年前半の音楽が流れていた頃の匂い・空気を、なぜか新鮮に思い出します。そして、その頃のカラオケボックスの景色が蘇ってきます。

 通信カラオケが出始めた頃で、「通信カラオケ」という最先端の言葉が(性能はともかく)客寄せに使われていて、まだLaserDiskを使ったカラオケも現役で、ガチャコン・ガチャコンと小さな小さな家内制手工業のようにメカニカルな音を出していたような気がします。そんな時代がクルクルとブーメランのように、浮かび上がってきます。ちなみに、カラオケボックスの匂いは、昔も今も、相も変わらずタバコの匂いのような気がします。

 そういえば、カラオケ・ボックスに行くと、リモコンのメニューには「あの頃検索」といったものが表示されているのが普通になりました。しかも、そんな「あの頃検索」の前には、「迷った時の」なんていうキャッチフレーズまで付いています。それは、何だか「とりあえずビール」の「とりあえず」と同じような優柔不断と迷いの感があります。

 そんな「迷った時の」あの頃検索を使い、カラオケ・ボックスというタイム・マシーンで時の流れの中を行き来していると、いつの間にか、安くもない・けれど高くもない、多いのが少ないのかわからない程度のお金が消えていきます。それは、「とりあえずビール」でビールを飲んでいるうちに、高くもない・けれど安くもないお金が飛んでいくのに似ている…なんて、ふと妄想したりします。

 と徒然なるままに書きながら、「カラオケの(迷った時の)あの頃検索」と「とりあえずビール」は結構いいな、と感じます。だって、だって人間だもの(by 相田みつを)。

あの頃検索1990年頃






2008-04-13[n年前へ]

「幅広バルコニー(ベランダ)」と「冬の部屋」のヒミツ 

 街を歩いていると、「3.5m×3.5mの幅広ベランダ(バルコニー)!」というマンション広告を見かけた。広いバルコニーは気持良さそうだなぁ、そこでビールでも飲めばとても気持ち良いだろうなぁと思いつつ、その立て看板を眺めていると、ふと「このマンションは冬に湿気(しっけ)てしまわないだろうか…?」ということが急に気になりだした。

 「日差しの科学」を読むとわかるように、夏と冬では日差しの角度が大きく異なる。暑い盛りの夏至ともなれば、太陽が一番高く上る南中の時刻には、(真上の)天頂方向から見て約11度の頭上から日光が強く差し込んでくる。その一方、寒い冬至の時期であれば、(天頂から)58度もの低い角度から、日光は斜めに差し込む。

 だから、
 夏至の時、窓の直上に約60cm程度のひさしをつければ、夏の日差しを部屋の中に入らなくすることがわかります
  「日差しの科学
といいうように、上階にベランダ・バルコニーなどがあれば、それが庇(ひさし)となって、夏は日差しが部屋の中を暑く照らすこともなく、かといって、冬には斜めから差し込む陽の光が寒い部屋の中を暖めてくれる。

それなら、上階に幅広3.5mのバルコニーがあるマンションなら、どうなるだろう。もちろん、夏の暑い日差しが部屋の中に入らないことは全く同じに違いない。しかし、冬の正午の日差しを計算してみると、部屋の中を太陽がほとんど照らさなくなってしまうことがわかる。たとえば、ひとつの階あたりの高さが2.5mほどである場合には、南中の時刻の太陽は部屋の中に50センチメートルほどしか、入ってこない。これでは、「寒く湿気た部屋」は暖まりそうにない…。

 というわけで、「このマンションは冬に湿気(しっけ)てしまわないだろうか…?」と、自分の家でもないのにそんなことが気になってしまい、マンションの完成予想図を見ながら「日照シミュレーション」を頭の中で試み続けたのである。はたから眺めたとしたら、さぞかし、そのマンションに惹かれているように見えたことだろう。しかし、実はそんなこんなの「(余計な御世話の)日照シミュレーション」をしていたのだった。

日差し日差しの科学






2008-07-07[n年前へ]

「25年前に宇宙人へ送信した画像添付メール」の原画 

 今日は7月7日、七夕の日だ。そういえば、一月と少し前に、「25年前に電波送信した宇宙人へのメッセージ画像の原画が見つかった」というニュースを読んだ。6年前、「七夕の夜に願うこと」で書いた 「スタンフォードの46mのパラボラ・アンテナからアルタイルに向けて送り出された、13枚の画像添付メール」の原画だ。

 地球からアルタイルまでの距離は約16光年。メッセージを乗せた電波信号は99年に到着している。知的生命体が住む惑星が存在し、すぐに返事を送ったとすると、2015年に地球へ届くことになる。

 この原画だったか、あるいは、そのためのラフスケッチだったか、そんな画像を見たことがある。「少年ジャンプの企画中で、電波に載せて宇宙人へメッセージを送信してみるんだ」と、父が描いたラクガキを見せながら、父は愉快げな顔で話をしてくれたように思う。

 宇宙人から返事がくる可能性はほとんどない。
「でも、それでいい」
 宇宙人へのメッセージは、生物の進化を示す画像群は、なぜかエタノールの分子式で終わる。ビールか何かを飲みながらそんな「低解像度のエタノールの分子式」について語る送信者の話を聞いていた覚えがある。
 西暦2000年に送られた、アルタイルへの電波メールが宇宙空間をこの瞬間も秒速30万kmで伝播し続けている途中かもしれないと夢想してみるのも、とてつもなく楽しいことだと思う。

 これから続く夏の空を眺めつつ、ビールでも飲みながら、天の川とベガとアルタイルのことや、酔っぱらい二人が送ったそんなメールのことを思い浮かべてみるのも、きっと気持ちが良いと思う。星空が綺麗な高原で、あるいは、星も見えないビル屋上のビアガーデンで。

2009-08-28[n年前へ]

自宅サーバ部屋で自ビール作り 

 自宅でサーバを運用している人は今はどのくらいいるのだろう。数年前に比べて、増えたのだろうか、それとも減っているのだろうか?今では、自分でサーバを立てなくても、楽に使うことができる各種サービス会社がたくさんあるから、人数ベースではわからないが、少なくとも、比率ベースでは、減少しているに違いない。

 自宅サーバを立てる醍醐味は、「自分の思うように動くものを作るためには、何をしなければならないかという知識を得ることができる」「思った通りに動かないため、動かす過程で色々な経験と苦労を味わえる」「最終的に、自分の思うように動くものを作ることができる」というあたりだろうか。

 サーバを動かす部屋は、夏でも25℃くらいの温度には保ってある。そして、冬でもそこそこ暖かい温度になっている。この温度を何か有効活用できないだろうか、といつも思う。夏は冷却用エアコンの電気代がもったいないし、一年中通して発熱を続けるPCの電気代だって、やはりもったいない。

 こんなことを考えた。サーバ部屋で、自ビールを作るのはどうだろうか?つまり、自宅サーバが置いてある部屋で、自宅ビールを作るのである。25℃くらいという「自宅サーバ室」の温度は、ビールを発酵させるのに ほど良い温度である ようだし、自分でビールを作るという作業自体も「自分の思うようなビールを作るためには、何をしなければならないかという知識を得ることができる」「思った通りのものができないため、試行錯誤する過程で多くの経験と苦労を味わえる」「最終的に、自分の思うような美味しいビールを作り・飲むことができる」という、まさに自宅サーバを動かす醍醐味と同じものがあるように思えるのである。

 「自宅サーバ部屋」を「自ビール工場」にしてしまうというのも面白いのではないだろうか。これこそ、まさに「自宅ビール・サーバ」かもしれない。



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