hirax.net::Keywords::「ベクトル」のブログ



2003-03-09[n年前へ]

カコノミライ 

 先週、車を運転しながら、「かこのみらい」というフレーズが頭の中に浮かんでいた。「過去の未来」っていつなんだろうなぁ?と考えていた。

 「過去の未来」は明日かも知れないし、今日かもしれないし、もしかしたら、それは昨日だったのかもしれない。…原点である「過去」がいつなのかが判らないのだから、その過去の未来だっていつなのかはわからない。

 「過去がない世界」は無い。そして、時間のベクトルはいつだって未来にしか向かうのだから、ぼくらはいつだって「過去の未来」にいるのだなぁ、と考えた。

 そして、さらに、過去に考えたことを実現しようとしている未来に、あるいは実現できなくなったのかもしれない未来にいるんだなぁ…と考えた。

 どんな「過去の未来」、たとえば、その過去がどんな昨日であったとしても、どんな今日であったとしても、それともどんな明日になるにせよ…ぼくらの時間のベクトルは未来にしか向かわない。いつだって、ぼくらは「過去の未来」を作っていくしかないのだろうか、と考える。

 そんなことを思い出した今週のジョナサン・ケイナー。

 蟹座の長期的な展望を見てみることにしましょう。1998年、あなたの気分は軽くなることでしょう。2000年、二、三の問題が生じるかもしれませんが、その直後に…
 え?過去でなく、未来について知りたい?でも、あなたって過去に生きる人だったですよね?
 大昔のできごとにとらわれるあまり、最近起こったことや、現在の状況に気を回す余裕はないのでは?
 …過去の記憶をさかのぼり、“知恵”という名の真珠を見つけるのは有意義なことです。しかし、その真珠を“自己批判”という名の豚に投げつけたら、意味はありません。必要とあらば、過去の思い出に浸っていただいて一向に構いません。でも、あれ以来事情は大きく変わったという点をお忘れなく。
 いま、あなたは昔の感情にとらわれていますか?でしたら過去に葬り去ってください。それによって、状況は更なる進展を見せることでしょう。

2003-05-04[n年前へ]

スカしッ屁の風速ベクトル 

おならの流体力学 放出口外側のパンツ内側編

 少し前まで、米軍のステルス戦闘機などの話をニュースで見かけることが多かった。ステルス戦闘機といえば、それはもちろんレーダーには映らないわけで、「音はすれども姿は見えない、まるでアナタは屁のような」戦闘機なのである。これが通常の戦闘機の場合であれば出撃したりするとレーダーに写ってしまって大きな襲来警報のサイレンとともに迎えられたりするわけであるが、ステルス戦闘機の場合にはそんな襲来警報の音もなくいきなり出現するわけで、いわば音を伴わない「スカしッ屁」のようなオソロしい戦闘機なのである。しかし、ステルス戦闘機もオソロしいのだが、スカしッ屁だって十分オソロしい。何しろ、「音のしないおならは臭い」「スカしッ屁は臭い」とよく言われるほどそのに臭いは強烈だとされているのである。スカしッ屁は、ステルス戦闘機のごとくいきなり我々の鼻腔奥深くに達し、そして姿を現した瞬間にはもう我々の体の鼻の奥にその恐怖の毒ガスを充満させていくのである。
 

 ところで、ステルス戦闘機の恐ろしさはともかく「音のしないおならは臭い」というのは本当なのだろうか?当たり前のように口にされる「スカしッ屁は臭い」というセリフであるが、それは何か事実に基づいたものなのだろうか?そんなことはきっと誰しも一回は不思議に思ったことがあるに違いない。そこで、資料などを調べてみると実際にスカしッ屁は臭いという科学的根拠があるらしい。何でも、音がするしないは大抵の場合「おならの量」で決まるらしく、おならの量が多い場合には音がして、おならの量が少ない場合には音がしないというのである。そして、量が多いおならの原因は穀物を食べた時にでんぷんや繊維質が発酵して発生するメタンガスで、それはほとんど臭くないというのである。ところが、量が少ないおならの場合には、そのおならの原因は肉類の蛋白質・脂肪類が発酵して発生するアンモニア・インドールなどで、これが実に臭いというのである。だから、量が多いおならすなわち音が出るおならは臭いけれど、「量が少ないおなら」つまり音のしないスカしッ屁は臭いというのだ。統計的には「臭くないスカしッ屁は気づかれない」から「気づかれるスカしッ屁は必ず臭い」「だからとりたててスカしッ屁が臭いわけではない」という理屈も成り立ちそうなものだが、そんな理屈はさておき「スカしッ屁」の臭いは事実オソロシいものらしい。
 

 「スカしッ屁」の臭いが事実オソロシいとすると、音もなく訪れるそんなオソロシイ兵器から私たちはどのようにして身を守れば良いのだろうか?音もなくいきなり鼻腔に忍び寄ってくる「スカしッ屁」という恐るべき化学兵器からどのようにすれば身を守ることができるのだろうか?そこはもちろん、身を守るためにはまずはその対象をよく知らなければならないのである。敵を知らずして敵に勝つことはできないのである。「スカしッ屁」から身を守るためには、「スカしッ屁」をよく知らなければならないのである。別にそんなことを知りたくもない、という気持ちはもちろんココロの奥底に強く強くあるのだけれど、身を守るためにはそんなことは言っていられないのである。自分のみを守るためには、私たちはおならについて少しばかり考えてみなければイケナイのだ。…というわけで、今回はおなら(毒ガス)が体内から放出(放屁)されたのちに、オナラ放出口近辺で起きている現象を考えてみることにしたい。
 

 今回は、まずはオナラが体内から外に放出された瞬間を考えるために、とりあえず「音のするオナラ」と「スカしッ屁」が「黄門様」から放出されたあとの噴出風速ベクトル(放屁ベクトル)をナヴィエ・ストークス方程式の計算エンジンにNaSt2Dを使って計算してみた。計算領域は放出口の外側、パンツの内側というごく狭い領域である。計算領域の左中央辺りに黄門様が位置しており、計算領域の右側にはパンツがある。また、ここではパンツと言ってもビキニやブリーフのようなピッタリお肌に密着タイプではなく、トランクスのように肌との間に空間が存在するタイプを仮定している。そして、「音のするオナラ」の場合には強く早く小刻みに「ブーッ」っとオナラが放出口から放出され、「スカしッ屁」の場合には「スーッ」と弱~くオナラが黄門様から放出されることにしてみた。下の二つのグラフが、そのようにして計算してみたオナラが出たときの黄門様の外側パンツの内側における「音のするオナラ」と「スカしッ屁」のオナラ噴出風速ベクトルである。音でいうなら、左が「ブーッ」で、右が「スーッ」なのである。
 

「音のするオナラ」と「スカしッ屁」の噴出ベクトル
「音のするオナラ」「ブーッ」の場合
「スカしッ屁」「スーッ」の場合

 もちろん、言うまでもなく上の計算は実に大雑把で簡易的なものだが、「音のするオナラ」の場合には、おならの風速ベクトルの方向が刻々変わり、またその大きさも大きいことから、放出口外側ですぐに急速に拡散してしまうことが予想される。すなわち、毒ガス濃度がパンツ内ですぐに薄まり、おならガスの危険度が低下していることが判る。黄門様の外側パンツの内側でおならガスが急速に拡がっているようすが目に浮かぶようである。絶対に、目に浮かべたいとは思わないのだがこのグラフを見るとそんな様子がまぶたの裏にまざまざと浮かんでしまうのである。

 それに対し、「スカしッ屁」は「スー」っと滑らかに出るがために毒ガスが拡散せず、放出口を出た後も毒ガスの危険濃度を保ったまま「まとまったガス雲」として戦隊飛行を続けていくことが予感される結果なのである。「スカしッ屁」はその毒ガス成分だけでなく、そのガス拡散度合いも考えてみる価値もあるかも知れない(考えたくないが)、とも思わせるのである。

 というわけで、今回は何とも中途半端な計算をしただけで、オナラの風速ベクトルを予想しそのオナラの運命に考えを巡らせてみたのであるが、その中途半端さには実は理由がある。何しろ、これまでスクール水着疑似オッパイ山本式エアコンなどさまざまな物体に対する流体計算をしてきたが、今回の黄門様近くのスカしッ屁の風速ベクトル計算ほど何ともやる気がおきず、気が乗らず、頭の中で計算対象を想像したくないものも初めてなのである。対象物を強く心の中でイメージできなければ、まともな予想などもできないわけであるが、どうにもパンツの中のオナラをイメージしたくなかったのである。そのせいで、どうにも中途半端な結果になってしまったのである。

 あぁ、こんなことではオナラから身を守ることができないぞ、おならを心の中で強くイメージしなければイケナイぞ、と強く自分を戒め、続編へ向けてがんばらなければと思う今日この頃なのである。が、しかしまた、おならを心の中で強くイメージするのと、オナラから身を守るのであればどっちが重要か少し悩んでしまい、続編もちょっと…と思ったりもする今日この頃なのである。

スカしッ屁の風速ベクトル 

 おならの流体力学 放出口外側のパンツ内側編です。時間の問題もあるのですけど、気が乗る・乗らない、対象物をイメージできる・できないはとても重要ですねぇ。

2003-10-28[n年前へ]

ライトノベル・ベクトル計算機 

 「自分の読書傾向はどのようなものなのか」「この作品に似ているのはどの作品か?」を計算してしまおうというページ
 おとなりページやおとなりアンテナ、おとなり日記はこの簡易版ですね。

2004-05-31[n年前へ]

近代ストア主義とメスメリスムの類似性 

 タイトルがなんだか魅力的で、「高頻度名詞と共起する有意味単語データを因子分析することで、18世紀後半と19世紀初頭にかけて活躍したカバニスとメスメールという、二人の思想家の予想外な類似性を計算する」という「ベクトル空間モデルに則った、近代ストア主義とメスメリスムの類似性に関する計量文体論的分析

 発表論文一覧を眺めてみると、これまた結構面白そう。ちなみに、「近代ストア主義」をgoogleで検索してみても…、こんな結果にしかなりません。



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