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2009-01-31[n年前へ]

大変身した「機動戦士ガンダムさん」 

 大和田 秀樹の「機動戦士ガンダムさん」が何だかすごいことになっている。というのは、普通のパロディ・ギャグ・マンガだったはずなのに、現に今もそうなのに、不思議なほど愛おしさと物語を感じるマンガに変わってきているからだ。

 「機動戦士ガンダムさん さいしょの巻 」「機動戦士ガンダムさん (つぎの巻) 」「機動戦士ガンダムさん みっつめの巻 」ときて、 最新巻の「機動戦士ガンダムさん よっつめの巻」では、どのストーリーもなぜか涙腺が緩んでしまう。アッガイたんたち、量産ザクさん、ガルマくん・・・本来の機動戦士ガンダムでは脇役たちにまつわるそれぞれの物語とそれを描く画が、何ともたまらない。

 「機動戦士ガンダムさん」は「(泣けて)電車の中では読めないマンガ」域に達しつつある。

2009-02-03[n年前へ]

「岳~みんなの山」と「クロスゲーム」 

 ドン・キホーテのピアス 702 鴻上尚史

 (小学館漫画大賞の一般部門は)山岳マンガの「岳~みんなの山」(石塚真一)がグランプリを取りました。・・・登場人物が、山岳事故で次々と死ぬのですが、申告にはならないのです。それどころか、物語には、前編、不思議な幸福感さえ漂います。それは、山登りが人生に例えられ、悔いのない人生を送った人が死の瞬間に感じる充実感のようなものなのでしょう。
 マンガですが、人生の絶望と希望をちゃんと描いていいて、かなりの文学的高みに届いています。
 少年マンガ部門は、なんと大御所のあだち充さんがグランプリを取りました。「クロスゲーム 」という野球マンガです。・・・あだちさんは、今、57歳で、少年マンガに落選し、受賞に値する作品を描き続けていられるのです。

2009-03-15[n年前へ]

「論理的にプレゼンする技術」 

 「論理的にプレゼンする技術 」という本を書きました。(下に張り付けた動画のように)全ページカラーで、マンガによる解説、画面操作を説明したイラスト・PC画面を豊富に使い、「説明する」ということをかりやすく「説明しよう」と最大限の努力をした新書になります。今週には、本屋の店頭に並んでいると思います。本屋さんの棚の中で見かけたりしたなら、手にとって眺めて頂ければ、とてもうれしく思います。

 本書は、これまでに書いたことがある内容を、(色々ご指摘頂いた)直すべき点を直し、また、プレゼンテーション資料を数多く眺める経験中で気付いたことを書きました。また、本当にマンガ・イラスト・図での、具体的な説明をとても多くしたのが大きな特徴だと思っています。

 「プレゼンテーション資料を数多く眺めた中で気付かされたこと」というのは、わかりにくい”プレゼン資料"のパターンというものがあって、とても多い人たちがそのパターンに陥ってしまう、ということでした。そんなパターンはいくつもあるのですが、その一つはたとえば…ということを書いてみたのが本書になります。





2009-04-01[n年前へ]

アメコミの色彩と「技術品質」と「コスト」 

 「マンガ学―マンガによるマンガのためのマンガ理論 」を読んでいると、アメリカの新聞に連載されていたカラー・マンガでは、シアン・マジェンタ・イエローの3色の濃さを100,50,20パーセントの3種類に限り、輪郭線には黒線を入れていたという。新聞紙への印刷が不安定で、出力品質が決して良い状態ではなくても、色の識別がしやすいように、使う色種(インク量)を少なく限ったという。低コスト・低技術品質の中で、「わかりやすさ」を実現しようとしたわけである。

 その結果として、アメコミの「派手な原色」「力強い輪郭線」と数少ない色種の組み合わせによる「識別の記号としての配色」という特徴が生まれたという。確かに、「ハルクの配色」「スパイダーマンの配色」・・・どの配色も似たような色が使われているはずなのに、「どのマンガ・どのヒーロー・どの悪役」であるかが、その配色を見れば不思議なほどにすぐわかる。

 「技術品質」と「コスト」のバランスから生まれた文化、というのは意外に多いのではないだろうか。たとえば、吉野家の牛丼はだってそうだ。安い肉を大量に供給するために、吉野家の牛丼のあの調理法・味が生まれている。もしかしたら、「大量に売れる文化」というものは、ほとんどすべてが「技術品質」と「コスト」のバランスの上で立っているのかもしれない。





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2009-04-20[n年前へ]

自分や世界にまつわる基本的なことへの答えを作る 

 しりあがり寿の「表現したい人のためのマンガ入門 (講談社現代新書) 」から。

 その場その場で対処療法的な「言葉」があふれてて、そこらへんからいいとこどりしてきたって絶対追っつかない。自分も世の中もどんどん変わる中でつぎはぎの価値観じゃしんどい、しんどい。なんかいろいろよくわからなくなって、リアリティがないってことになっちゃう気がします。
 だからウソでもいいから、人間はやっぱり自分や世界にまつわる基本的なこと、「なぜ生きるか」とか「世界って何なの?」とか、そういったことに自分なりの答えを出して、それなりに納得して了解しといたほうがいいと思うのです。

「しりあがり寿」をマネージメントする



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