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2008-12-29[n年前へ]

現在望み得る最上かつ最良の○×上達法 

 文章上達法のコツを一番的確に書いた文章はは、井上ひさし 「現在望み得る最上かつ最良の文章上達法」である。・・・と、名文を書く人たちがみな口を揃え自著に書く。

 井上ひさしの「現在望み得る最上かつ最良の文章上達法(死ぬのがこわくなくなる薬―エッセイ集)」は、たった3ページほどの文章なのに、密度が実に高い。何しろ、「現在望み得る最上かつ最良の文章上達法」について、いきなり一行で答えを冒頭に書いてしまう。

「丸谷才一の『文章読本』を読め」
 そして、「文章を手当たり次第読み、そして、それを真似する作業をせよ」という内容が書かれ、最後の一文はこう締めくくられる。
 つまり文章上達法とはいかに本を読むかに極まるのである。

 どんな分野でも「技術」は欠かせない・・・だろうと思う。それが、体を使うことであっても、頭を使うことであっても、あるいは多くのことがそうであるように、体も頭も使うことであったとしても、「技術」を必要としないものはないはずだ。・・・根拠無しにそう思う。

 そういった技術に関して、「現在望み得る最上かつ最良の○×上達法」というものを考えるとき、井上ひさしの「現在望み得る最上かつ最良の文章上達法」は、意外に適用できることが多いのではないのだろうか、と思う。だから、というわけではないが、この文章を一度読んでみて損はないと思う。もちろん、丸谷才一の『文章読本』も一緒に「あわせて読みたい(読まなければならない)」ということになるのだが、それは「(名文を読む)楽しみが増える」ということであるから、これもまた得であっても決して損ではないのである。



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