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2009-06-04[n年前へ]

星新一の「願望」と「冷めた眼差し」 

 最相 葉月の「あのころの未来―星新一の預言 (新潮文庫) 」から。

最相 葉月:生活が便利になる、いわゆる”明るい未来”は割と肯定的に描いていらっしゃいますね。
星 香代子(星新一夫人):それは、あの人の願望でしたから(笑)。・・・星は、頭の中で材料を組み替えながら、自分の願望と冷めた眼差しで人と社会の行く末を見つめていたような気がします。
(p.326)

2010-04-21[n年前へ]

「星新一 一〇〇一話をつくった人」の350頁から次の頁にある言葉 

 最相葉月の「星新一〈上〉―一〇〇一話をつくった人 (新潮文庫) 」を読んで、坪内祐三が書いた書評のラストがこの文章である。

 先に私は、誰もが星新一を読んだことがあるはずだ、と書いた。逆にいえば、みな、星新一を卒業してしまう。
 それから星新一の苦悩がはじまる。それがこの評伝の一番の読み所とも言えるラストスパートだ。

「文庫本を狙え!」 616 週刊文春 「文春図書館」
 下巻の三百五十頁から三百五十一頁にかけてを私は何度も読み返している。
 こう書かれると、その頁に一体どんな言葉が綴られているか、知りたくてたまらなくなる。

 この文庫本は、三年前に出た単行本「星新一 一〇〇一話をつくった人 」を文庫として出版したものだ。文庫版は、先日出たばかりの本だから、「私は何度も読み返している」というのは、ひと桁程度の「何度か」なのかもしれないし、あるいは、単行本を読んでの「何度も」なのかもしれない。

 「星新一 一〇〇一話をつくった人」は単行本で読んだ。単行本を読みながら、最相葉月が書く星新一の物語は、愛が感じられていい、と思いつつ読んだ記憶がある。この単行本の一体何ページ目が「文庫本の下巻の三百五十頁から三百五十一頁」にあたるのだろう。坪内祐三が何度も読み返している、と書く文章は、一体、単行本ではどの頁にあるのだろう。



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