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2008-05-15[n年前へ]

PSoC制御の「加熱ホッケーブレード」や「堅さ可変シューズ」 

 PSoCはCypress社のマイコン・チップで、各種デジタル・アナログ回路が搭載されていて、その組み合わせをユーザがプログラミング(設計)できる、というものだ。FPGAほど高性能ではないけれど、PICより少し賢く便利なアナログ回路が色々詰めあわされている(だから周辺回路を大幅に減らすことができる)、という感じだろうか。アナログ制御・入出力をしたい場合には、とても便利そうなチップである。

 このPSoCが使われている商品で面白いなぁ、と思うのが「Therma Blade」と「adidas_1, intelligence level 1.1.」だ。

 Therma Bladeの方は、アイス・ホッケー・シューズのブレード(氷と接触する金属板部)の氷との摩擦係数を低くし、スピードを高めるために、PSoCでヒーター制御し、ホッケー・シューズ・ブレードの温度を適正に調整したり、ON/OFFしたりするものである。スケートが滑るのは、ブレードと氷の間で氷が解け水になることで、摩擦係数が下がるだ。それならば、「ブレードの温度を上手く制御してやれば、摩擦係数が下がりスピード速く滑ることができる」という狙いの技術である。



 一方、adidas_1, intelligence level 1.1.の方は、PSoCで制御したモータで踵部分にあるエアクッション部を押すことで、エアクッション内圧力=靴の堅さ(衝撃吸収率)を適正に変える、というものだ。電子制御されている車のサスペンション機構(タイヤと車ボディの間で、路面の凹凸・カーブなどがあるときの衝撃を吸収する機構)も多いけれど、それと同じような技術が搭載されたシューズである。

 こういったシューズで高機能・高付加価値の流れはどれだけ進んでいくのだろうか。いつか、「トランジスタ技術4月号」で、「フレッシャーズのためのアイスホッケーシューズ制御のABC」といった特集記事が当たり前のように書かれる日が来るのだろうか。

adidasThermabladespSoCshoseshoesblade






2010-08-01[n年前へ]

免許更新時に配布される「交通の教則」で「安全運転の物理」を学ぶ!? 

 先日の「事業仕分け」で話題になった、隠れたベストセラー「交通の教則」のページをめくっていると、面白いページに行き当たりました。それは、「5-2 自動車に働く自然の力」で、「車に働く自然の力」について書かれていて、軽く理系心をくすぐられる一節でした。たとえば、こんな風に、交通安全のための「科学」が説明されていくのです。

 (カーブを曲がろうとする自動車に働く)遠心力の大きさは、カーブの半径が小さいほど大きくなり、速度の2乗に比例して大きくなります。
 (追突時の)衝撃力は速度と重量に応じて大きくなり、また、固い物にぶつかるときのように、衝撃の作用が短時間に行われるほどその力は大きくなります。
 例えば、時速60kmでコンクリートの壁に激突した場合は、約14mの高さ(ビルの5階程度)から落ちた場合と同じ程度の衝撃力を受けます。
 制動距離や遠心力などは、いずれも速度の2乗に比例して大きくなります。速度が2倍になれば、制動力や、カーブで車の横すべりや転倒をさせようとする力は、2倍になるのではなく、4倍になります。
 「衝突時の時速」を「ビルから落ちた時の高さ」に対応させて、衝突の衝撃を想像させるイラストなどもあって、で「交通安全の(ための)物理」を実感させられます。

 「いらないからすぐ捨てる」という人も多いらしい「交通の教則」ですが、手渡されてしまったからには、「安全運転の物理」を楽しんでみるのも良いかもしれません。そのページを読むと、意外に捨てられずに家に持って帰る人も多くなるかも…しれません。

免許更新時に配布される「交通の教則」で「安全運転の物理」を学ぶ!?免許更新時に配布される「交通の教則」で「安全運転の物理」を学ぶ!?免許更新時に配布される「交通の教則」で「安全運転の物理」を学ぶ!?








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