2001-10-07[n年前へ]
■心の色はどんな色?
見えないものを眺めてみよう
「あなたの色に染めて欲しいの…」とはよく聞くフレーズである。それは実によく聞くフレーズではあるのだけれど、本当のところそんなことを言う人が実際に居るのかどうか私は知らない。それはさておき、私はこのフレーズを聞くたびに心の中で思うのである。「あなたの色って、どんな色やねん?」と。
郵便ポストの色とか、チューリップの色とかならまだ判るのだけれど、「人」なんて実に抽象的なものでは一体どんな色だか判らないではないか、と思うのである。そもそも、そんな「人」なんて抽象的なものに「色」なんてものが対応するのかどうか自体、不思議な話なのである。
「オマエの色が赤以外のわけがあるかぁ」と言いたくなる、もう「あなたの色」丸見え状態のゴレンジャーのアカレンジャー・メンバー(最近流行りの呼び方)とか他のメンバー達ならまだ判るのだけれど、普通の人間で「その人の色」が判るような人がいるわけがないようにも思えてしまう。
まぁ、私の名前は「純」なので「オレの色は純色なのだぁ」とクダラナクも言ってみても良いのだけれど、そんなことを言ったところで「何色の純色やねん?」とツッコまれること間違いなしなのである。「みどり」とかそんな名前を持つ人でなければ、こんなヘリクツは通用しないのである。
しかし、「あなたの色」という抽象的なものの色なんか判るハズもない、とあきらめてしまうのはちょっとクヤシイ。どんな抽象的なものも、目に見えるカタチにして眺めてみたいと感じるのが人の心情だろう。そこで、「抽象的なものの色を見てみる」ことに挑戦し、「人々の心の色」を眺めてみたい、と思うのである。
前回、「色んな心を集めたアルバム」で、WEBの世界に散らばっているさまざまな画像の中から、任意の「キーワード」に関連した画像を収集するために、GoogleImageSearchを利用し収集するアプリケーション「ぐるぐるイメージ」を作成してみた。このぐるぐるイメージとダウンロードツールのIriaなどを組み合わせれば、言葉通りの「何かに伴うイメージ(画像)」を自分の手元のPCのフォルダに集めることができる。例えば「恋」だったり、「心」だったり、あるいは、「科学」や「しあわせ」や「スポーツ」といったイメージに伴う画像、を手元のフォルダにかき集めることができるのである。
通常、「何かに伴うイメージ」というときの「イメージ」という言葉はもちろん「画像」という意味ではない。一般的に想像されるだろう「何かに伴うイメージ」は、「Aという何かに伴って私達が想像する潜在的な何かB」に違いない。それはもちろんそうなのだが、「ぐるぐるイメージ」が集める「Aという何かに伴って登場することの多いBという顕在化したイメージ(画像)」が、必ずしも「Aという何かに伴って私達が想像する潜在的な何かB」と無関係のわけもないだろう、と思うのである。世界中のWebページを作る人々が「何かの抽象的なものを思い浮かべながら貼り付けた画像」達を数多く集めてみれば、それは「何かの抽象的なもののイメージ」であるかもしれない、と思うのである。
ということは、「ぐるぐるイメージ」が私の手元のフォルダに集める「何かに伴うイメージ」というものは、結局のところ「何かの抽象的なもののイメージ」そのもので、その色を調べてやれば「人々の心の色」といった抽象的なものの色だって判るかもしれない、というわけだ。
で、早速「ぐるぐるイメージ」を使って
- 「エロ」 "○×○△"
- 「童話」 "fairy tale"
- 「心」 "heart"
- 「笑顔」 "smile"
そしてさらに、これらの画像に対して「9人の女神はピンク映画の夢を見るか?」で作成した色分布可視化ソフトMosaic(ニセモノ)を使って解析した結果が下のである。「エロ・童話・心・笑顔に伴うイメージ」の色分布をじっくりと眺めてみてもらいたい。まず、最初は「エロ・童話・心・笑顔」をそれぞれ(a*b*平面)に配置してみた。グラフ中の白マルはa*=b*=0の個所を示している。また、L*a*b*の色配置が判るように下にその色配置を大雑把に示してみた。
上の結果を眺めてみると、「エロ」は非常にシャープな分布になっていることが見てとれるだろう。薄いピンク色っぽい辺りに集中していることがはっきりと判る。明らかにそれは人の肌色に基づくものだろう。
また、「エロ」には青とか緑はほとんど含まれていない。「エロ」は青とか緑ではないのである。が、それに対して「童話」はきみどり辺りの比率が多い。
また、「心」はかなり広い分布を示し、色々な色がまんべんなく含まれている(採取枚数も他より多いこともあるが)。しいて言うなら「心」は黄色辺りに中心値があるように見える。なんと、「心の平均的な色」は黄色だったのである。
そして、最後の「笑顔」は黄色から緑辺りに向かう鋭い分布があることが見て取れる。それは人の顔色であるようにも思えるが、そうだとすると人の肌色を中心とする「エロ」との分布の違いにも着目したいところである。
また、(L*a*平面)で「エロ・童話・心・笑顔に伴うイメージ」の色分布を眺めてみたのが下のグラフである。見事なくらい「エロ」には青とか緑が含まれていなくて、暗からず明るからずといった明るさの色が多くて、ということが判ると思う。また、童話が比較的明るいみどり辺りに集中していたり、「心」はやっぱり広い色分布なんだ、ということが判るのである。
最後に、上の結果を大雑把ではあるがL*a*b*空間に配置してみたのが下の結果である。むちゃくちゃなやり方ではあるが、色空間の中で「エロ・童話・心・笑顔」といった抽象的なものの色が配置され、それぞれの色が何色であるかが判ると思う。「心」が「童話」と「エロ」の間に位置するなんて、何か意味深な気もするし、「エロ」と「笑顔」が結構離れているなんて、なんか笑っちゃう話のような気もするけれど、そういう想像は各人それぞれがする方が、きっと面白いに違いない。
というわけで、なにはともあれ今回の結果は
- エロ -> 薄明るいピンク
- 笑顔 -> みどり
- 童話 -> 明るい薄緑
- 心 -> 黄色
さて、余談ではあるが、ここのところ各社からインクジェットプリンターの新製品が発表されている。単に「いろいろな色が出せる」ということだけでなくて、「オレは心がこもった画像を出すから、黄色の表現性が良くなきゃこまるのだぁ」とか「オレはやっぱりエロ一筋だから、薄明るいピンクの階調性だね」とか、の基準を持ってみる、つまり自分が出す画像の色基準で機種を眺めてみるのも面白いかも、と思った。
ところで、今回の最初の疑問「心の色」については、答えはひとまず「黄色」ということになった。が、これはもちろん平均的には、という話にすぎない。色分布のグラフでも、「心の色」は幅広く分布していたことが判ったし、実際人の心なんてとっても幅広い分布をしているに違いない、と思うのである。一人一人の中だけでもそうだろうし、色んな人がいればもちろん色んな色があるだろうし。十人十色というくらいだしね。
2001-10-24[n年前へ]
■笑顔で作った一枚の写真
メルヘンなワタシとエロエロなワタシ
先日、「瞬間写真コレクション」という何とも楽しい遊びに参加してみた。2001年の10月の6日のある瞬間、同時に写真を撮ってみよう、という遊びである。このページに並べられている多くの写真を眺めていると、何故かワクワクしてくるのである。そこにキャッチコピーのように書かれている「道ですれ違う人はホントのホントにどこかで暮らしているのだろうか」というフレーズも何やらとても良い感じだ。
で、そんな遊びは眺めているだけでは面白くないので、自分でもそんなたくさんの写真が並べてみるような遊びをしてみることにした。というわけで、まずは下の写真を見てみよう。来年の1月からTRICK2の放映が決まった仲間由紀恵の写真である。現代のビーナスである。
さて、どう思われるだろうか?「仲間由紀恵って、オレは好きじゃないだけど」などと言う人がいれば、そんなアナタは間違っている。仲間由紀恵の良さが判らないヤツは間違ってる。心の底から間違っている。大体、ワタシは今そんなことを聞いているわけではないのだ。仲間由紀恵の良さは何をいまさら聞くような内容ではないのである。そんな輩は胸に手を当てて、もう一度自分の胸に問い直して欲しいのである。
となると、残りのほとんど大多数の見る目を持つ人々であれば、「仲間由紀恵って、やっぱり良いなぁ」と言うハズであって、さらにはこの写真をもう一度ばかり眺めた時には「何だかモザイクがかかったような感じ」と思うハズなのである。
そう、そんなあなた方はとても正しい。この仲間由紀恵の写真は実は小さな画像を寄せ集めたモザイク画なのである。この写真を拡大してみれば、それがよく判ると思う。念のため、右目部分を拡大したものを下の写真に示してみよう。たくさんの人達の「笑顔」がいっぱい並んでいることが判るはずだ。
以前、「色んな心を集めたアルバム」で、世界中から「何かのキーワード」に関連した画像を根こそぎ集めるソフトGuruguruImageを作成したが、GuruguruImageを使って世界中から集めた「笑顔」を敷き詰めて作ったモザイク画がこの仲間由紀恵というわけなのである。つまりは、この写真は「世界中の笑顔で作った仲間由紀恵」というわけだ。
もちろん、この素晴らしき仲間由紀恵のモザイク画像(ヘンな想像をする輩は即刻レッドカードのココロだ)は手作業でせっせと作ったわけではない。何しろ、この画像はほぼ一万枚の写真が敷き詰められているのである。いわば、一万ピースのジグゾーパズルなのだ。一秒につき一枚のペースで並べていったとしても、なんと三時間もかかるという大作なのである。めんどくさがりやのワタシがそんなものを作れるわけがない。そのためのテキトーなアプリケーションを仕立て上げただけなのである。
それがこれ、以前「9人の女神はピンク映画の夢を見るか?」で作成した色分布可視化ソフトMosaic(ニセモノ)にちょこちょこっとコードを書き加えて、読み込んだ多数の画像を並べて一枚のモザイク画像を作る機能を加えてみたHiraxNetMosaicMakerだ。モザイク・メーカーという名前でヘンなオプションを思い浮かべる人もいることだろうが、残念ながらこれは実にマトモなモザイク画を作成するプログラムである。
- hiraxnetmosaicmaker.lzh (692kB)
- 画像を
こっそりごっそり置いてあるフォルダーでLoadFolderを押して、画像を読み込む - Make Mapボタンを押して、色空間 - 使用画像の対応テーブルを作成する(画像の数に応じて、かなりの時間がかかるので、計算している間はコーヒーでも飲みに行くべし)
- モザイク画の元画像をLoad Imageボタンを押して読み込む。読み込んだ画像はアプリケーション下部のOriginalImageに表示される
- Make Imageを押せば、はいモザイク画像の出来上がり(アプリケーション下部のMosaicImage部)
また、つまらないTipsではあるが、きれいな出力を得ようと思う場合には、モザイク画像の元画像は「出力画像の階調を落とさないために」彩度を落とし、擬似輪郭を防ぐために少々ノイズを加えておくのがコツである。そして、出力されたモザイク画像の彩度を好みに応じて大きくするという処理をするのが良いと思う。
さて、上の画像は世界中の「笑顔」を集めて仲間由紀恵を描いてみたのだけれど、「心の色はどんな色?」で考えてみたように、色々なイメージにはそれぞれ独特の色々な色というものがある。例えば、前回考えた中では「笑顔」と「エロ」はけっこうかけ離れた色のイメージがあって、そのくせ「エロ」と「心」は結構近い色をしている、なんて結果になった。いや、別にワタシの「心」が「エロ」に近いと言っているのではなくて、世界中の心を集めると、それは結構色的には「エロ」のそれと近い、というだけの話である。
それでは、そんなそれぞれのイメージを並べてそれぞれ仲間由紀恵のモザイク画を作るとどうなるか、という疑問が当然のごとく湧くことだろう。というわけで試しに「心」をキーワードに集めてみた多数の画像と、「エロ」をキーワードに集めた画像とで仲間由紀恵を描いてみたのが下の二枚の写真である。
そう、「エロ」をキーワードに集めまくった画像で作った仲間由紀恵は、実に肌の辺りの滑らかさが素晴らしいのである。違いの判らない人には何の区別もできないかもしれないが、私には判る。なんと言うかエロチックというまでに妖しく素晴らしいのである。あぁ、素晴らしき哉仲間由紀恵のモザイク画像としか言いようがないのだ。もっとも、この仲間由紀恵をさらに拡大してゆくと、それはもう単にエロとしか言いようがない画像達がイヤでも目に入ってくるわけで、その拡大写真は残念ながらここでは見せられないのである。
とはいえ、ココロのこもった仲間由紀恵だって、肌の滑らかさには少しばかり欠けるけれど、十分に滑らかでキレイなのである。結局のところ、仲間由紀恵が良いのであって、別に「エロエロ」な仲間由紀恵だから良いと言ってるのではないということは強調しておこう。
という感じで、このHiraxNetMosaicMakerを使えば色々と遊ぶことができる。自分の写真をもとに「メルヘンなワタシ」と「エロエロなワタシ」を作ってみたりすることもできる(「エロエロなワタシ」の方がなんか生き生きとしているぞ、などと言うような輩は見る目を持たない人なのである)。また、前に作成した動画を静止画に展開するavi2stillと組み合わせれば、例えばドラマ「トリック」の色々なシーンを並べて仲間由紀恵のモザイク画を作ったりすることもできる。「お笑いパソコン日誌」で番宣のポスターという話題が出ていたが、こんな色々なシーンを並べたモザイク画なんて結構良いと思う。そして、きっと他にも色々な遊び方があることと思う。
さて、冒頭の「瞬間写真コレクション」では、色んな人たちが撮った写真が整然と並べられているのであって、何かの景色が意図的にモザイク画として表現されているわけではない。それは今回作ったようなモザイク画とは違う。
それでも、この瞬間写真コレクションのようなものを眺めている時だって、何やら一つ、あるいは、たくさんの景色が心の中にやはり同じように浮かび上がってくる。だから、もしかしたら先の「道ですれ違う人はホントのホントにどこかで暮らしているのだろうか」ということの答えは、そのたくさんの写真の中に確かに写っていて、たくさんの写真から浮かび上がってくる景色はその答えを素直に描いたものであるようにも思ったりするのである。
2001-11-11[n年前へ]
■淡くて儚い昔のアルバム
集合写真の集合写真
最近、検索エンジンGoogleのイメージ検索が日本語に対応した。だから、ふと「愛しの仲間由紀恵の画像を眺めた〜い」なんて思ったら、すぐに検索すれば画像をごっそり集めることができるのである。これまでは、Googleの画像検索は日本語対応していなかった。だから、「心」とか「笑顔」とか、はたまた「エロ」な画像を集めた〜いなんて時も、キーワードも日本語そのままで検索することができなくて、それに近い英語で検索をかけていたのである。
しかし、それももう過去の話。Googleの画像検索はもうバンバン日本語が通るのである。「心」の画像も「笑顔」の画像も「エロ」の画像も、何でもゴッソリ手に入るのである。それどころか、「運命の人」を探して、その「運命の人の写真」を手に入れることすらできるのである。ありがたいことである。
そこで、試しに「オッパイ星人」で検索をかけてみると、「オッパイ星人な画像」がゴッソリ手に入る。いや、もちろんワタシが「オッパイ」に興味があるというわけではもちろんない。何しろ、ワタシは地球を狙うオッパイ星人達と日夜戦い続ける使命を持つのである。「オッパイ星人」達をこの広い世界から見つけ出し、その心根に鉄拳パンチをお見舞いしなければならないのである。そう、そのためにワタシはGoogleを使って、「オッパイ星人」を検索するのである。言わば、Googleはワタシの妖怪アンテナなのである。Googleは「オッパイ星人」を駆逐するリーサル・ウェポンなのである。
しかし、その割には最終兵器Googleが教えてくれる「オッパイ星人」達はどうも見たことのある画像だったり、イヤラシくもオッパイを包み込む手がどうもやけに身近な掌のような気がして、まるで石川啄木のようにじっと自分の掌を眺めてしまったりするのであるが、いやマサカそれはワタシの気のせいに違いないのである。そう、気のせいに違いないのだ…。
いや、マズイ。こんなことではイケナイ。「思えば遠くへ来たもんだ…」でも書いたが、これでは少々マズイのである。気のせいですませるわけにはいかない場合もあるのだ。
何しろ、ここのサイトは家族姉妹も見るのである。ワタシの母も見れば、私の妹も見るのである。何しろ、数ヶ月前に実家に行った時にはワタシの母などは、ワタシの昔の写真を眺めて「この頃のオマエはあんな話を書く子じゃなかったのに…」とグチったくらいなのである。しかも、それに飽き足らずその後e-mailで
ホームページもう少し文学的、化学的だといいけどなあー。母の友人たちに見せても、好評なものも載せて。と無茶な説教を送りつけてくるくらいなのだ。文学的で化学的な話ってどんなのだー、それってただの化学オタクの会話じゃないのかーとか、仮にそんな話があったとしても、そんな話が母の友人達(おばぁさん)にホントに好評だと思うのかーとか、大体他人の評判なんか気にしてられるかーとか色々言いたいことはあるのだが、そうそうそんなことも言えないのである。ましてや、昔の写真を前にして「この頃のオマエはあんな話を書く子じゃなかったのに…」と言われた日には、そんなことは素直なワタシにはとてもじゃないが言えないのである。仮に心の中で、ワタシに限らずあんな話を書く子はどこにもイナイだろーとか思ったとしても、とりあえず何も言えないのである。
とはいえ、昔のアルバムを広げていると、何かセピアになった白黒写真や色褪せたそんな写真が何故か輝いて見えて、少ししんみりしてしまうのもまた確かなのである。別に、説教が胸に染みたわけでもないけれど、何かしんみりしてしまうのである。何か、並べられている一枚一枚の写真から「何か」が浮かび上がってくるようで、少ししんみりしてしまうのである。これは、まさに「笑顔で作った一枚の写真」で作ったモザイク画のようで、アルバムに貼り付けられた写真が組み合わさって、「何か」を浮かび上がらせているように感じてしまう。
「あー、そーなんだー」とワタシはしみじみ思ったあまり、「笑顔で作った一枚の写真」で作ったHiraxNetMosaicMakerをバージョンアップして、色んな写真を集めるモザイク画の中の各モザイク画のサイズを自由に変えたりして、もっとちゃんとキレイに出力できるようにしてみることにした。そして、できればそれを写真のアルバムっぽく加工してみることにしたのである。まずは、これが今回のHiraxNetMosaicMakerである。
素材画像群を読み込む前に、モザイク画像サイズとマージンを決めて、あとの使用手順は前回と同じである。まぁ、使う人がそれほどいるとは思えないので、詳しい手順は(以下省略)。 で、さすがに記念写真でモザイク枚数があるわけはないので、Googleで似たような集合写真を集めてみた。そして、今回のバージョンのHiraxNetMosaicMakerで処理した後、Photoshopでさらに写真のアルバムっぽく加工してみたのが下の写真である。さっと作ってみた割には、写真のアルバムっぽく見えることと思う。ワタシが知らない色々な人達が何処かで撮ったたくさんの記念写真が、写真のアルバムに貼り付けられているように見えるだろう。
もちろん、この集合写真は実は集合写真「仲間由紀恵 」のごく一部分である。全体を眺めてみると、こんな仲間由紀恵が浮かび上がってくるのだ。このWEBページでは遠くで眺めたり、近くで眺めたりできないのが残念ではあるけれど、この写真は遠くから眺めれば下のように見えるし、近づけば上のように見えるのである。近づけば、「アルバム」に貼り付けられた各々の写真が浮かび上がってくるし、離れてみればそれらの写真が一枚の「何か」に見えてくる。
前回のものと違って、背景の白い部分の面積が広かったりするので、今回のモザイク写真はずいぶんと色も淡く儚いけれど、それがまるで「淡くて儚い昔のアルバム」のようだなぁ、と私は感じたりする。これを眺めるあなたは一体どういう風に感じるのだろうか。私と同じような感想を持つだろうか。いや、きっと他の何かを感じることだろう。
そういえば、今日の朝日新聞を眺めていると、「子供地球基金」が「子供たちの絵で世界を塗り替えよう」と戦争などで傷ついた人達に向けて子供が描いた絵を集めて展示するという記事を見かけた。もし、そんな風に集まった子供達が描いた絵を今回のように集めてモザイク画にしてみたら、これも一つのアルバムのように感じるかもしれない。
ワタシが最初にしみじみしたワタシの昔のアルバムは、ちょっと色褪せた「過去のアルバム」だったけれど、この記事の子供達の絵を集めたアルバムの方は「過去のアルバム」ではなくて、子供が描いた「未来のアルバム」ということになるのかもしれない。こっちのアルバムは淡く儚いなんてことは決してなくて、鮮やかで眩しい感じなのかな。うん、きっと、そうなんだろうな。
2001-11-24[n年前へ]
■hirax.netの美術館
PLAY BACK
2002-02-03[n年前へ]
■映画のフィルムを並べたスクラップ
映画大好きの「元」少年少女達へ
先日、「お笑いパソコン日誌」で3次元画像ブラウザ「みょう絵」というものを知った。画像ファイルを日付や色の特徴などで三次元空間に並べてみる、というソフトだ。下の図がその「みょう絵」の動作画面だけれど、こんな風に三次元空間に配置された画像が散らばる中を「みゅぃーん」と動く感覚が結構気持ち良い。
で、その「みょう絵」をいじって
欲を言えば画像だけでなくて、色んな文章や音楽や気持ちとか、世の中のありとあらゆるものをこんな風にして眺めてみたいなぁ、と思った。あのころ撮影した写真や、眺めた景色や、読んだWEBサイトや…、とにかくありとあらゆるものを。と思った。すると、「お笑いパソコン日誌」のChic氏が
余談ですが、Windows XP はムービーファイルをサムネイル化してくれるんですが、あらゆるファイルをそうしてくれればいいのにと思ったり。と書いていた。それを読んで、「みょう絵」で一本の映画の中を覗いてみたいなぁ、と思ったのである。
映画が展開していくそのストーリーの時系列と、その中の色々な各舞台を三次元的に眺めてみたいと思ったのだ。そして、さらにはその映画の世界の中を三次元的に散策してみたいと思ったのである。
もちろん、それは映画の動画ファイルを静止画に展開して、それを「みょう絵」で開けばよいだけの話である。以前、動画ファイルを静止画に展開するアプリケーションを作ったこともある。
とはいえ、それを使って映画をキャプチャーしたファイルをそのまま静止画に展開するわけにはいかない。そんなことをしたら、ものスゴイ数の静止画ができてしまうからだ。1秒あたり約30枚もの静止画を含む動画をそのまま静止画に全部落としたら、一体どれだけのファイルができるだろうか?たった2分位の映画の予告編だって、展開したら何と3600枚である…。これだけの画像を読みこませたら、少なくとも私の遅いPCでは「みょう絵」がストライキを起こすことは確実だ。
そこで、映画の動画ファイルの中から、場面が変わるごとに一枚づつ静止画を抽出してみることにした。そうすれば、映画の中の色々な場面をそれぞれ一枚づつの画像として眺めることができる。そして、その画像を集めれば、その映画の色々な場面を一枚のノートにして見ることができるわけである。
というわけで、作ってみたのがこのAVI2Stillsである。いつものように、テキトーに仕立て上げただけだ。下の図がAVI2Stillsの動作画面である。ちなみに、この画面中で、TrigerLebelは場面変化を検出する感度を示すパラメータで、多分60位が適当だと思う。そして、SkipFrameは動画ファイルの中を何フレーム毎に調べていくかを示すパラメータである。展開スピードが気にならなければ1でも構わない。
このソフトができたところで、試しに - ロケット制作に憧れる少年達を描いた「遠い空の向こうに」"OctoberSky"( = 原作 "Rocket Boys"のアナグラム) - の中の各場面を抽出してみたのが下のスクラップである。予告編の中の各シーンが絵コンテのように抽出され、並べられていることが判ると思う。
こんな風に自分の好きな映画の場面を全部テキトーに抽出して、あとは「みょう絵」で眺めてみれば、その映画の世界を三次元的に散歩できるのである。というわけで、北村薫原作の映画「ターン」の予告編の世界を「みょう絵」で眺めてみたのが下の図である。
静止画では判りにくいけれど、立体的に配置された「映画空間」の中を散策してみるのは、やはりちょっと面白い。これで、欲を言えば各場面に近づくとその場面で流れていた音楽やセリフが聞こえてきたら、面白いと思う。それは、ムソルグスキーの「展覧会の絵」のようで気持ちが良いはずだ。そして、そうすれば気持ちが良いだけではなくて、今の「みょう絵」に足りない「画像だけではない何かをも眺めること」ができるわけだ。
またせっかくだから、「みょう絵」で眺めて終わりにするのも少しもったいないので、以前作った写真アルバム風のスクリーンセーバー"FilmStrip99"(手元のWindows2000では手直しが必要みたいだが…)で、白黒写真のコンタクトフィルム風のスクリーンセーバーを動かしてみた。それが下の画像である。映画のフィルムでなくて、写真のフィルム風だというところはご愛敬で許して欲しい。ちなみに、下の一連の画像は"SomeoneLike You"「恋する遺伝子」の予告編から変換したものである。
こんな風に自分の好きな映画の予告編などを使って自分用のスクリーンセーバーを作ってみるのも面白いと思う。今なら、たくさんの映画の予告編にオンラインでアクセスできるし、その予告編の動画ファイルがもしmov形式ならmov2aviを使って、それがもしrealvideo形式ならTinraを使えば、AVIファイルに変換できる。そして、今回のAVI2Stillsを使えば良いだけなのである。
ところで、こんな切り取った映画のフィルムを繋いだ一連のシーンといえば、ニューシネマパラダイスのラストシーンを思い出す。アルフレードの遺品、「主人公が覗き見ていた一連の場面」を繋いだシーンのフィルム、に主人公が涙したように、かつて少年少女だった映画大好きの人達がそれぞれ自分用のそんなスクラップフィルムを作ってみるのも面白いかも、と思う。そして、ふと思うことがあった時に眺めてみるのも、趣があるかも。