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2011-07-01[n年前へ]

これぞ「理系の散歩道・科学技術の散歩道」な「新田緑道」 

 私たちが歩く道沿い・毎日眺める風景の中に、技術や科学を感じさせ・理系心をくすぐる景色が隠れていることが多いものです。そんな景色を愛でたり・誉めたたえよう、というのが「理系の散歩道」というコーナーです。

 今日眺めた「理系の散歩道」は新横浜駅近くにある「新田緑道」です。暑い日差しを心地良く緑(みどり)が遮(さえぎ)る小道には、懐かしくも力強い機械や部品が詰まっていました。足下にギアやチェーン形状が埋め込まれているかと思えば(右写真に見える”ギア”は道路に埋め込まれた”ギア”なのです)、ふと座り込んだベンチもチェーンの形をしていたりします。そして、道の端を彩るのはプーリーやネジで、ところどころにボール盤やバープレスなどが置かれていたのです。

 使われなくなった水路の上に、真っ直ぐ2km近くにわたって作られた新田緑道は、これぞ「理系の散歩道・科学技術の散歩道」といえる存在かもしれません。何しろ、「プーリーの路」とかチェーン・プレート・歯車・機械…そんな風に名前が付けられているのが新田緑道です。

 緑(みどり)の匂いに包まれながら、金属で作られた機械を眺めつつ新田緑道を歩けば、とても幸せになると思います。新田緑道は、横浜市営地下鉄ブルーライン北新横浜駅からなら徒歩3分、JR新横浜駅からなら徒歩20分、自転車で行くなら鶴見川 新羽橋近く…にある「理系の散歩道・科学技術の散歩道」です。

新田緑道新田緑道新田緑道新田緑道新田緑道新田緑道新田緑道






2011-07-02[n年前へ]

「コインサイズのiPhone接続ケーブル」の通信販売情報を探しています 

 以前買った「とてもコンパクトなiPhone接続ケーブル(100円玉サイズのiPhone接続ケーブル)」がとても便利です。 携帯電話にぶらさげるアクセサリーよりも小さい大きさですから、いつも持ち歩くことができます。 だから、必要な時に「あぁ、ケーブルがない!」「接続できない!」「充電できない!」と嘆くこともないのです。

 これは秋葉原のあきばお〜で購入したものですが、通信販売で購入することができれば、とても便利そうです。 けれど、あきばお〜のインターネットで検索してみても見つからず、(そもそも商品名がわからないこともあり)グーグルに「通信販売を行っているところはないか」と尋ねてみてもさっぱりわかりません。

 この「とてもコンパクトなiPhone接続ケーブル」を通信販売で売っているサイト、どこかにないものでしょうか? 「ここで売っている」「ここで作っている」といった情報をお持ちのお方がいらっしゃいましたら、ご一報頂ければ幸いです。

 …というわけで、手に入った情報によると、Amazon.co.jpならたとえばiPad2/iPad・iPhone4対応! iPhone・iPod用モバイルUSBケーブルといったように、「通信販売で購入することはできるけれど、(あきばお〜価格と比べると)お値段はずいぶんと高い」ようです。

 ところで、この小さな「コインサイズのiPhone接続ケーブル」には、microSD・SDHCカードリーダーも内蔵されていたりもします。大きさも機能もなかなかの優れものです。

とてもコンパクトなiPhone接続ケーブル(100円玉サイズのiPhone接続ケーブル)とてもコンパクトなiPhone接続ケーブル(100円玉サイズのiPhone接続ケーブル)とてもコンパクトなiPhone接続ケーブル(100円玉サイズのiPhone接続ケーブル)とてもコンパクトなiPhone接続ケーブル(100円玉サイズのiPhone接続ケーブル)






2011-07-05[n年前へ]

東京湾に浮かぶ島の浜辺に行ってみよう!? 

 川崎大師の先、人影のない「ちどり公園」の中央近くにある廃墟(のような小高い建物)の地下から「川崎港海底トンネル(人道部)」を走れば、東京湾の海底を1kmほど進むと、東京湾に浮かぶ東扇島にたどりつきます(参考:海底の下を真っ直ぐ走る「川崎港海底トンネル(人道部)」)。そして、そんな東扇島の最北東部、つまり、東京湾の奥に位置するのが(入場無料の)東扇島東公園です。

 東扇島は羽田空港の向かいに位置するので、飛行機の離着陸を近くに見ることができ、東京湾の波間の上を行き交う巨大船を間近に眺めることもできます。休日の昼間にはバーベキューをしている人たちもいますが、平日の昼〜夕方には人影はほとんどありません。海の向こうに見えるビルや工場群を見ながらキスを交わし合う恋人たちもいたりしますが、それでも、数百メートル四方には「人の密度は十人/km^2」ほどしかいないような気がします。

東京湾には、自然の島も浮かんでいれば、驚くほど広い面積の人工島がたくさん浮かんでいます。人工島、たとえば、東扇島には波が砂浜を撫で続ける浜辺もあったりします。

 自転車を漕いで行くのなら、JR川崎駅東口から川崎大師方面に20〜30分。あるいは、公共交通機関で行こうとするなら、川崎市バス 川05系統東扇島循環の座席に「東扇島東公園前」バス停まで座る。…バたったそれだけで、東京湾に浮かぶ人影の少ない幻想的な「浜辺」に辿り着きます。

 羽田空港から世界へ飛び立つ飛行機や、炎を噴出し続けるフレアスタック(ガス焼却施設)や、私たちが毎日眺める景色を海の向こう数kmの先に眺めることができる「浜辺」は、ふだん眺める景色とは全く別の世界を眺めることができる、そして、JR川崎駅からほんの20分ほどで辿り着くことができる場所です。

東扇島東公園東扇島東公園東扇島東公園東扇島東公園東京湾に浮かぶ島の浜辺に行ってみよう!?






2011-07-06[n年前へ]

PowerPointでアクションゲームを作ってみる(コントローラはRuby編) 

 PowerPoint といえば、いわゆる「ビジネス・ツール〜お仕事の道具」です。そんなPowerPointだってたまには「遊んでみたい」と思っているはずです。あるいは、PowerPointを使う私たちだって、PowerPointを相手に遊んでみたいと思ったことがあるのではないでしょうか。

 そんな思いに応えるために、PowerPointでアクション・ゲームを作ってみることにしました。アドベンチャー・ゲームであれば、PowerPointの標準的プレゼンテーション・ソフトウェアとしての機能で実装できそうですが、アクション・ゲームとなるとVisual Basic for Application(VBA)を使ってPowerPointを操作することになります。

 VBAでPowerPointを操作してアクション・ゲームを作るプロトタイピングとして、まずはRubyからOLE経由でPowerPointを操作して、PowerPointスライド上で月面着陸(Moon Landing)を行うゲームを作ってみました(Rubyコードや、それをExe化したファイル、PowerPointで作った「ステージ」ファイルなどはここに置いておきます)。月面着陸ゲーム・・・それは、月面着陸船をロケットをスライド上部から降下させ、スライド上にある(あなたが自由に配置させた)さまざまなテキストや図形やグラフを避けつつ、月面(=スライド下部)まで着陸させるというゲームです。上カーソルキーで「下向き噴射」を行い、 左右キーでそれぞれ右方向・左方向への噴射を行います。あなたが動かすロケット噴射に応じて月面着陸船は宇宙空間を動いていきます。

PowerPointスライドで、難易度をカスタマイズした「ステージ」を自分で作ることができるので、ちょっとしたゲーム・クリエーターの気分をお子さんに味わってもらうことなどもできる「PowerPointアクションゲーム・システム」です。

 下に貼り付けた動画がPowerPointで作った月面着陸ゲームの「プレイ画面」です。1分10秒あたりからゲームが始まります(その時点から自動で再生されるようにしてあります)。星が輝く宇宙空間で、岩石がそそり立つ月面に(そんな場所に着陸する理由は、それはゲームだからです)月面着陸船が着陸しようとしているところです。

 明日は七夕で、空には夏の大三角形が私たちの真上に上っています。PowerPoint相手に作業をしなければならない人も、時にはPowerPoint上で宇宙船を動かす操縦士になってみると面白いかもしれません。アポロ宇宙船や、地球に帰還した「はやぶさ(MUSES-C)」の宇宙の旅を思い起こしながら、宇宙飛行士や管制士となって遊んでみるのはいかがでしょうか?

2011-07-07[n年前へ]

海底の下を真っ直ぐ走る「川崎港海底トンネル(人道部)」 

 東京や横浜…つまり京浜地区には、「真っ直ぐ走る道」がほとんどありません。けれど、人知れず「都心近くの街をただひたすらに直線的に伸びる道があります(参考:東京に走る「長い長い直線道」を走り抜けてみよう!)。

 東京にも「真っ直ぐな道」があります。それは「比較的最近作られた、地図上に線をひくことで人工的に作られた”新しめの”街道」です。それらの道は、東京という場所を念頭におけば、知らない人が驚くに違いないくらいの距離を、ひたすらまっすぐ走ります。
 今日走り抜けてきたのは、1km強の距離をただひたすらに真っ直ぐ伸びる道です。

 1kmなんて、いくらなんでも短くない?という人も多いことでしょう。けれど、それが海底のさらに下を走る海底トンネルだとしたら、どうでしょう。しかも、その海底トンネルが人と自転車しか通過させず、そして、その海底トンネルの入り口が「人影のない寂れた公園の片隅」にひっそりたたずむ廃墟の地下から密かに東京湾の人工島まで伸びている…となれば、その1kmの海底トンネルはとても魅力的に思われるのではないでしょうか。そして、その東京湾・川崎沖に浮かぶ人工島には浜辺もあって(お台場ではありません)、海の向こうには工場のシルエットが浮かんでいる…としたら、どうでしょう?

 フランス、パリの地下に走る下水道を歩くとき中世の歴史に思いを馳せることができるように、東京帝都の地下を垣間見るときタイムスリップができるように、羽田空港のすぐ横、多摩川河口のすぐ近くの海底を直線的に1kmばかり走る「川崎港海底トンネル(人道部)」の中に入ると、なかなか味わうことができない時空間の旅をすることができるような心地になります。

 下に貼り付けた動画は、川崎駅から東京湾方向に進んだ(周囲数百メートルには人はいなく、ただ野生の凄みを感じさせる野良猫たちしかいない)「ちどり公園」の中にひっそり隠れる「川崎港海底トンネル(人道部)」の(100%廃屋にしか見えない塔の下に)入り口から、東京湾に浮かぶ東扇島まで、東京湾の海底の下を1km強の距離を走り抜けた5分の間に眺めた景色です。

 足音や機械音や警報だけがこだまする、不気味さを感じさせるこの通路の上には、海があります。そして、その海の上を(羽田空港から離着陸する)飛行機が飛び交っています。近くを走っているだろう東京湾アクアラインから見ることができる景色とは、全く別の長い・長い地下道を、今日、走り抜けてみました。

 海底の下を真っ直ぐ走る「川崎港海底トンネル(人道部)」は、二十一世紀の京浜地区に現存する有数の「オーパーツ」です。ひとり鍾乳洞を歩いてみたい…ひとり地下水湖を眺めてみたい…そんな好奇心を感じたことがある人には(そういう我らが冒険・実験野郎な人たちだけには)、とてもお勧めしたい直線コース…それが海底の下を真っ直ぐ走る「川崎港海底トンネル(人道部)」です。

 野宿は必ずしも安全ではありません。本誌はおもいっきり野宿をすすめようとしていますが、その影響力は雨粒ほどです。しかしもしかして、これを読んで野宿に行ってくれる奇特でスバラシイ人がいて、運悪く危険な目にあったとしても本誌に責任はありません。自己責任という言葉は嫌いです。そんな時はなんでもかんでも太陽のせいにしましょう。

 かとうちあき「野宿野郎」

海底の下を真っ直ぐ走る「川崎港海底トンネル(人道部)」海底の下を真っ直ぐ走る「川崎港海底トンネル(人道部)」海底の下を真っ直ぐ走る「川崎港海底トンネル(人道部)」






2011-07-08[n年前へ]

”カット(切り取り)”でないエクセルの”カット”から「統一感と便利さ」を考える 

 エクセルの「カット」は、「選択領域を削除する(そして、選択部にあった内容をクリップボードに一時的に格納しておく)」という動作を行いません。 つまり、エクセルの「カット」は一般的なアプリケーションとは意味が違います。 エクセル上で領域選択を行い「カット」しても、その瞬間には「選択部にあった内容をクリップボードに一時的に格納しておく」ということだけしか行われず、 引き続き「ペースト」を行った場合にのみ、元の選択領域が消え・ペースト先へと内容を移動させるという動作が行われます。だから、たとえば「カット」直後に「ペースト」を行わなかったとしたら、「カット(という名の作業を行ったはずの)」した領域は実は「カットされる=切り取られる」ことがないのです。

 おそらく、エクセル使い・達人からすれば、そんな”移動”目的に特化されたカット機能の方が便利・使いやすい・メリットがあるということなのだろうと思います。 しかし、その便利さはユーザー・インターフェースの統一感、つまり「単純で数少ない基本原則を覚えさえすればどのように動くかがわかる」というメリットを失わさせてしまう両刃の剣でもあります。

 「ユーザー・インターフェースの統一感」と「特定目的のアプリケーションにおける機能重視のカスタマイズ」を考える時、どんなさじ加減・バランスにしたくなるでしょうか。たとえば、エクセルの「カット」機能を題材にしてみるならば、あなたならどんな動きにしたいと考えますか?

2011-07-09[n年前へ]

「プール」始めました。 

 梅雨が明け、広い青空に白い入道雲が浮かぶ毎日が始まります。熱い夏を、それでもほどよく心地良く過ごすために「プール」を買ってみました。

 選んだものは、INTEX製のスイムセンターファミリープール 262x175x56cm です。アマゾンで送料無料の4258円ナリの長方形ビニールプールです。当初、直径305cm・深さ75cmの”容量4トン”の円形ビニールプールを買おうと思ったのですが、設置場所の構造を考えると4トンの荷重をかけるには不安が残る…ということで、容量が2トン強の長方形状のものを選んだのです。

 自転車用空気ポンプで空気を入れ続けること1時間(それは、小島よしおの「そんなの関係ねぇ!」のポーズを60分間続けるということです)、蛇口を開いて水をプールに注ぐこと数十分、ようやくプールに(許容量を超える)水が満たされました。実際にプールに入ってみると、Amazon に掲載されている写真よりずいぶん大きく感じます。

 水面が揺れると、プールの底に集められた太陽の光がきらめきます。それは当たり前の現象ですが、そんな当たり前のことを「太陽が空高くある時にプールや露天風呂や海に行かないと意識しない」ということも、また当たり前の真実であるようにも感じます。

 プールを毎日・毎晩眺めていれば、気づくことがたくさんあるかもしれません。ふだん忘れていることを、思い出したりすることもあるかもしれません。

 梅雨明けの今日、「プール」開きをしてみました。

「プール」始めました。「プール」始めました。






2011-07-10[n年前へ]

Ruby版Win32GuiTestをアップデートしました 

 Ruby版のWin32GuiTestをアップデートしました。アップデートした点は、キーボードの状態検知・入力検知のための関数 getKeyState, getAsyncKeyState, getKeyboardState といった辺りを追加したことと、Microsoft Office 自動操作のための変数定義などを追加したこと、になります。ダウンロードはこちら(win32guitest.latest.zip)になります。

 「キーボードの状態検知」という言葉を聴くと、首をかしげてしまう人も多いことでしょう。なぜなら、「GUI操作を自動化する」という本来の目的を考えてみれば、「手動」で動かされるキーボードの状態検知をする関数は、まさに必要ないはずのものだからです。

 つまりこれは、Win32GuiTestというより、Win32APIを使うためのゴッタ煮ソースです。Win32API関数や、Microsoft Office操作に用いられる定数定義などを詰め込んだRubyソースです。

 今回は、PowerPointでアクションゲームを作ってみる(コントローラはRuby編)で必要だったリアルタイム・キーボード入力検知に必要な関数群やPowerPointの各種操作に必要な定数定義などを放り込んでみました。これは、たとえば、下記のようにキー検知を行う関数です。

up=gui.getAsyncKeyState VK_UP
if up==1 # push(default=>0)
 # do something
end

2011-07-11[n年前へ]

ダイソー詰め替え(プリンタ)インク用”カラープロファイル”を作ってみよう!? 

 100円ショップのダイソーで売っているインクジェット用詰め替えインクを愛用しています。愛用している一番の理由は、カートリッジ2〜3回分相当(25ml)の容量で100円ナリという、1/10以下の”リーズナブル”な値段です。

 もちろん、その値段にはそれ相応のデメリットがついてくるわけで、色味(色調)が合っていないなんていう問題も起きたりもします。そんな時には、ダイソーの詰め替えインク用”カラープロファイル”を作ってみるのがお勧めです。

 たとえば、COLOR DARKROOMなどを使うと、比較的簡単にプリンタ用のカラープロファイルを使用インクに合わせて(プリンタ購入時に添付させていたファイルを)修正・加工することができます。プリンタ出力時に用いられるカラープロファイルに対してダイソーの100円詰め替えインクの特性を入れ込ませることで、色変換を適切に自動で行わせるようにしてやるのです。

 カラープロファイルに多少の修正をかけることはそれほど難しくありません…といっても、わかりやすく簡単に一瞬でできる…というわけではありません。…ということは、自分が使っているプリンタにダイソーの詰め替えインク用を使った時の”カラープロファイル”を作った人がいたならば、それを同じ環境の人と共有・配布できるようにしてみるのも面白いかもしれない、と思います。誰かが(各種プリンタにダイソー詰め替えインクを入れた時の)カラープロファイルを作成したならば、それをダイソーのサイトからダウンロードできるようにするのはどうだろうか、と思います。そうすれば、多くの人が色合わせに頭を悩ませることなく、お手頃価格のインクを気軽に使うことができるようにも思います。

 …ところで、25mlで100円というと安いような気もしますが、中国で同じようなインクを仕入れると、その数十分の1近い価格である、1リットルあたり数百円しない値段だったりもします。つまり、(単純にインクの容量だけで考えたとしたならば)25mlで10円弱…ということになります。

 値段・価格というシステムは面白いものです。一体、どんな値段が妥当で、どんな値段がリーズナブルなのでしょうか。

ダイソー詰め替え(プリンタ)インク用”カラープロファイル”を作ってみよう!?






2011-07-12[n年前へ]

総額200円で作るマイ・ラブホ的”プラネタリウム・ジャグジー” 

 暑い夏を節電モードで乗り切るために、送料無料で4258円ナリのビニールプールを買いました。夏の日差しでわずかにほんのり暖められた水に入ると、蒸し暑さに耐えきれない気持ち100パーセントの時でも、不思議なくらい気持ちが心地良くなります。

 その快適さを、太陽が出ている時間だけでなく、星と月しか見えない夜にも味わいたくて、ビニールプール用「照明キット」を買って・作ってみました。部材を買いに行ったのは、もちろん100円ショップのダイソーで、総予算は百円玉ふたつでトータル200円ナリの照明キットです。

 ダイソーで手に入れたのは「7色に色を変えつつ光を放つLEDグラデーション・ライト」と「白色半透明の(汁もれ防止用)パッキン付きお弁当箱」の2つのセットです。7色LEDグラデーション・ライトを光らせて、弁当箱に入れ、透明蓋側をプール底に向けつつ弁当箱を水面に浮かべると、プール底だけを幻想的に照らすイルミネーションのできあがり、です。そんな水面を7色の光で照らしつつプカリプカリ動いていく電気製灯籠に照らされつつ、「夏の夜空と夜空に浮かぶ月」だけを見上げていると、どこかの異世界に佇(たたず)んでいるかのように思えてきます。

 …と、暑い昼時にそんな話をしていたら「星座が輝く星空の下で、七色に光るプールにひたるだなんて、ほとんどラブ・ホテルのジャグジーですね!」と言われました。…そのツッコミを聞き、なるほど街中にありつつも「どこかの異世界」を提供するのがラブホというものなのだったか、と再認識させられました。

 関東で、テキ屋のバイトをしていたのと同じ頃、関西でラブホテルのバイトをしていた。夏の祭りの昼と夜、水に浮かぶスーパーボールをすくおうとする子どもを眺めていたのと同じ頃、おとなたちが訪れる春過ぎのラブホテルの中で、昼や夜に空を眺めていた。

 テキ屋をしながら見上げた空も、ラブホテルのバックヤードで待ち時間に見上げた空も、どちらも日常のようで非日常のようで、時間割で割り切れないような不思議な感覚で、それがとても心地良かった。

ラブホテルのバックヤードから見上げた空

 というわけで、今日の紹介は、200円で作るマイ・ラブホ的”プラネタリウム・ジャグジー”です。プラネタリウムが好きだったり、海が好きだったりするあなたには、とてもお勧めの夏休みの工作です。たとえば、この水に浮かぶカラー・イリュミネーションを、何セットか浮かべ、水の中でさまざまな色を混ぜてみたりするのも、綺麗で楽しい実験になるかもしれませんね。

200円で作るマイ・ラブホ的”プラネタリウム・ジャグジー”200円で作るマイ・ラブホ的”プラネタリウム・ジャグジー”200円で作るマイ・ラブホ的”プラネタリウム・ジャグジー”200円で作るマイ・ラブホ的”プラネタリウム・ジャグジー”






2011-07-13[n年前へ]

ビニールプールを買ったら「次亜塩素酸ナトリウム」も買いましょう!? 

 水を満たしたビニール・プールの心地良さを言葉にするなら、それは「最高の快楽」としか言いようがありません。暑さやさまざまなストレスから感じる「不快」を吹き飛ばし、体の中にある疲れをとり、気持ちを安らがせる「気持ち良さ」をマイ・プールの水は与えてくれます。

 しかし、ビニール・プールに水を注ぐには、それなりの水道料金が必要になります。その水道料金を節約しようとするならば、使う水をエコロジー的に最小限に抑えようとするならば、「水入れ替え」をどうすれば防ぐことができるか、ということを考えなければなりません。

 「水入れ替え」の回数を減らすには、学校のプールに塩素を入れていたように、プールの水に塩素を溶け込ませる次亜塩素酸ナトリウムを投入し、水を殺菌し続けることが重要です。…というわけで、薬局に行き、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする消毒剤を買ってきました。この消毒剤を定期的に(所要量だけ)ビニールプールに入れておけば、雑菌がプール中で繁殖するのを防ぐことができる、というわけです。

 薬局で売っている「次亜塩素酸ナトリウム」にはたくさんの商品(種類)がありますが、私が買ったのは、オーヤラックスの「(殺菌消毒剤)ピューラックス」です。容量1リットルあたりにすると、数百円以下の殺菌剤です(どの”ブランド”もそんな値段ですが)。

 ビルの中で閉ざされたスペースで、エアコンの温度を数度下げるエネルギー収支の試算に明け暮れるくらいなら、ビニールプールに水を注ぎ・街中に置き、その水に浸かるためのコストとメリットを考える方がよっぽどわかりやすい効果があるようにも感じます。

 ビニールプールを買うと涼しくなります。そして、次亜塩素酸ナトリウムを薬局で買うと、そのビニールプールに注ぐ水の交換量を少なくすることができます。ビニールプールを買ったら、薬局に行き「次亜塩素酸ナトリウム」も買いましょう…ということが、暑い夏を心地良く過ごすための、科学のアドバイスかもしれません。

ビニールプールを買ったら、次亜塩素酸ナトリウムも買いましょう!?ビニールプールを買ったら、次亜塩素酸ナトリウムも買いましょう!?






2011-07-14[n年前へ]

インクジェットプリンタ用詰め替えブラックライトインク” 

 プリンタメーカでなく、サードパーティーが製造・販売している詰め替え用インクのメリットと言えばまずはランニングコストの安さです。しかし、ランニングコスト以外にも、一風変わったインクがある、自由度が高い、という魅力もあったりします。

 たとえば、ブラックライトに反応してカラフルに光る”ブラックライトインク”というあたりも、そんなインクの例になります。ブラックライトインクというのは、ブラックライト(紫外線ライト)で照らされることで蛍光を発するインクです。

 通常のインクと違い、印刷をしても普通の蛍光灯や太陽光の下では何が印刷されているか見る事が出来ません。ですが、ブラックライトで印刷物を照らすと蛍光カラーに光ります。

 たとえば、こんなインクをインクジェットプリンタに装着し、カラフルな星座絵や星空を印刷して、印刷された(何にも描かれていないように見える)紙を学校教室の壁に貼りつけるとどうなるでしょう。夜にブラックライトで照らすと、綺麗な星と神話に登場する星座たちが光り輝きだす…そんな「魔法の教室」になります。

 ラインナップされている色設定は、少し上手くない(適切でない)ようにも思われますが、7色買うと2万1千円、何とか4色で使いこなせば1万4千円。インクジェット・プリンタ用の詰め替え”ブラックライトインク”を工作好きな人たちの共同出資で購入し、みんなで「夏休みの工作」をしてみるのも楽しそうですね。

2011-07-15[n年前へ]

[今日見た景色] 横浜港 国際客船ターミナル 

 外国へ行くとき・帰る時に通る場所は空港の国際ターミナルだけではありません。島国である日本と外国の間を行き来するには、海を飛行機で飛び越えるか・船で海を渡るしかありません。つまり、日本の各地にある港からも外国に渡ることができます。

 今日見た景色は「横浜港 国際客船ターミナル」です。ペリー提督が乗る黒船が浦賀沖にやってきて、日米和親条約(神奈川条約)・日米修好通商条約(安政五カ国条約)が結ばれて、横浜村に日本と外国を結ぶ港が作られ、安政6年(1859)横浜港が開港しました。

 羽田空港の国際ターミナルから世界各国へ飛行機が飛び立つのと同じように、羽田空港のすぐ近くにある横浜港国際客船ターミナルには海の向こうにある国々に向かう国際船が泊まり、その船に乗り多くの人たちが旅立ち・帰ってきます。

 今日(本当は7/16なのです)の横浜港 国際客船ターミナルには、PEACEBOATの「74回地球一周の船旅(2011年7月19日~10月27日)」の出航を待つオセアニック号が停船していました。PEACEBOATという文字が描かれた「ボート」の、その大きさには本当に驚かされました。

 巨大建造物としか言いようがない国際船に描かれた"BOAT"という文字を見ながら、ふと刑事コロンボの「歌声の消えた海"TROUBLED WATERS"」の中で繰り返されたコミカルなシーン、コロンボが汽船を「(まるで手漕ぎの)ボート」と言って、船長がカチンとしながら・その言葉を訂正するシーンを思い出しました。

 (アメリカからメキシコに向かう巨大国際船の)船長は、コロンボ警部に汽船を「ボート」呼ばわりされて、内心、面白くなかった。ボートは公園の池などに浮かべる手漕ぎの船を指す。(中略)「汽船」と呼称されると、蒸気船みたいな印象を与えるが、船舶法に因ると「機械推進によって航行する船舶」に分類される。

『歌声の消えた海』TROUBLED WATERS(1975年)

 数日すれば、目の前にある”BOAT”と記された巨大な汽船に、日本を離れて世界を旅する人たちが乗り込んでいく姿を見ることができます。今日は、そんな景色の数日前、巨大なボートを背にしつつ、青空の下・暑い日差しの下で横浜港越しの街を眺めている家族がいます。家族という名のボートが見えるような気がします。

To get a little stronger,
I'm rowing away,
In my broken boat.

"worthless"と"priceless"とクライマックス

[今日見た景色] 横浜港 国際客船ターミナル[今日見た景色] 横浜港 国際客船ターミナル[今日見た景色] 横浜港 国際客船ターミナル






2011-07-16[n年前へ]

「道具」と「”できる”という可能性」 

 まだ涼しい夏の朝早くに自転車に乗って、横浜を通り鎌倉を過ぎ、熱海に行きました。電車や車に乗って行くのが普通と思いこんでいた場所に、近くのコンビニに行くのと同じように、自転車に乗って辿り着くことが”できる”というのは、とてもワクワク・気持ち良くします。

 真鶴から岸壁の下の海を見下ろしながら、熱海から伊豆半島を眺めながら、「このワクワクする感じは、何か知っているものと似ているような気がする」「それは一体何だったろう?」とずっと考えていました。

 「そうだ!”できる”ということにワクワクしているんだ」「”できる”という可能性・”できた”という結果にワクワクしているんだ!」と、熱海ビールを飲み・熱海で温泉に浸かりながら思いつきました。もしも、アルキメデスだったとしたら、「ユーレカ!(わかったぞ!)」と叫び・全裸で熱海の海に走り出したかもしれません。もちろん、その場合には、熱海駅前にある静岡県警の交番に連行されること間違いなしです。

 コンピュータを買って、プログラミングをした時もそんなワクワクを感じました。SF小説やジュブナイル小説の中で読んだ未来の可能性を「自分で実現”できる”」という衝撃的なワクワクは今でも覚えています。そんな新鮮な楽しさは、ずっと変わらず続いているような気がします。

 もっと軽い自転車を買ったり・部品を交換したくなります。そうすれば、もっと遠くへ・いつでも行けるような気がします。…そんなことを太平洋の海と波を眺めつつ考えていると、「あっ、これもPC買いたい病と同じだ!」と気づきました。それは、新しいパソコンを買うと、何か新しいことが”できる”ような気がして、巨大な物欲のビッグウェーブが襲ってくるという病気です。あるいは、新しい楽器を買えば、今はできない演奏を(いつの間にか)することができるようになる、と思いこむ病気です。

 「いかん、いかん…」「道具に頼るより、まずは自分の力をつけなくちゃいけないな」と消費の欲望を振り払いながら、ふとこんなことも考えます。新しいモノを買い、そのワクワク感が、何か新しい”思いつき”や”可能性”を産むこともあるのではないか、と想像します。道具は何かを達成するための道具に過ぎない…けれど、その道具が私たちの衝動や欲望を突き動かし、新たな可能性へと誘(いざな)っていたりいたりもするのではないか、と思います。

 道具は道具に過ぎないと同時に、道具こそが欲望という魔術を操りヒトを猿から人間へと変え・未来への変化を続けさせている黒幕なのかもしれません。

「道具」と「”できる”という可能性」






2011-07-17[n年前へ]

「眺めたい景色を左側に見るように進め」の法則 

 景色の良い地へ行った時など、何らかの「一周」をすることも多いのではないでしょうか。たとえば、富士山一周、琵琶一周、四国一周、日本一周…そんな「一周」をするとき、(もしも意識していなかったとしたならば)知っておくと良い「法則」があります。それは、みな意識して・あるいは無意識のうちに心がけていそうな「眺めたい景色を左側に見るように進め」の法則です。

 この法則によれば、たとえば富士山を一周するのなら、富士山をいつも左側に眺めるように進むべし…つまり、一般的な地図上で眺めるのなら「反時計回りに一周すべし」ということになりますし、大海原に囲まれた紀伊半島や伊豆半島から(海と空をたくさん眺めたいのであれば)「時計回りに一周すべし」ということになります。

 「眺めたい景色を左側に見るように進め」の法則は、日本の道路を走る車両(車もバイクも自転車も)はすべて左車線を走らなければならない、という制約によるものです。対向車線を走る車両に遮られることなく、美しい景色を眺めようとするならば、「眺めたい景色を左側に見るように進めば良い」というわけです。その結果、湖や沼や山を(眺めたいものを囲むように)一周したければ反時計回りコースを選び、太陽に照らされて輝く波間に囲まれた(眺めたい海に囲まれた島国の)海岸を走るなら、時計回りのコースを選ばなくてはならない、ということになります。

 意外に「何かを一周する観光」というのは多いものです。そんな時、時計回り・反時計回りに悩むことがあれば、この「眺めたい景色を左側に見るように進め」の法則を思い浮かべてみると少し役立つかもしれません。

2011-07-21[n年前へ]

内股で歩けば「雨でもパンツの裾が濡れない」の法則 

 梅雨時、雨の中で歩く人たちを眺めていると、パンツ(スラックス・ズボン)のふくらはぎのあたりがびっしょりと濡れている人もいれば、ほとんど裾が濡れていない人もいることに気づきました。そして、さらにこんなことにも気づきました。それは、男性のパンツの裾はかなりの割合でびっしょり濡れていて、女性の場合には、3割程度の人は裾があまり濡れていないけれど、それ以外の7割の人たちの裾は濡れている…という事実です。

 雨の中歩いていて、どうしてパンツの裾が濡れないのだろう?と考えつつ、パンツの裾を濡らさずに歩く人たちを観察し続けると、「内股の人はパンツの裾が(雨の中を歩いていても)濡れていない」という新たな事実が浮かび上がってきました。

 さらに観察をし続けること20分、内股で歩けば「雨でもパンツの裾が濡れない」の法則のメカニズムが明らかになりました。…それは、こんなメカニズムです。

 雨の中を歩くと、蹴り出された(主に)靴裏から水滴が飛び(跳ね)広がります。そして、その水滴群の中を(体を支える)もう片方の足が通過する時に、パンツの足太もも裏部辺りに付着してしまいます。

 ところが、内股で歩いていると、蹴り出された靴裏から放たれた水滴は足の向きに沿って飛んでいきます(右図)。つまり、体の外側に向かって水滴は飛んでいくのです。…ということは、足下から跳ねた水は(逆側の足下(パンツの裾)にかかることがない、というわけです。

 もちろん、内股でなく足先を広げて歩いていたりすると、足裏から跳ぶ水滴群は(もう片方の)足下に跳んでしまうので、ひどくパンツの裾を濡らしてしまうのです。(最上右図)

 これが、内股で歩けば「雨でもパンツの裾が濡れない」の法則です。雨が降る日、パンツが濡れるのを最小限に抑えようとするならば、内股で歩くのが良さそうです。

内股で歩けば「雨でもパンツの裾が濡れない」の法則内股で歩けば「雨でもパンツの裾が濡れない」の法則






2011-07-22[n年前へ]

「下を向いて落ちている花」と「上を向いて落ちている花」 

 台風が近づく雨の中、道路の上に白く大きな花がたくさん落ちていることに気づきました。興味深いことに、その白花はほぼすべてが下向き、俯(うつむ)くようにして落ちていました。雨に濡れた路面に落ちる数多くの白くて大きな花を写真に撮ったのが、下の写真です。たくさんの花びらが、ほぼすべての花びらが、花びらを下に向けて落ちている・茎を空に向けて落ちていることを少し不思議に感じる風景です。

 このようなさま・このような結果を生み出すような仮説はいくつも作ることができます。たとえば、「この花の形状から導かれる重心と空気抵抗のバランスにより、路面に落ちる花は必ず下を向いている」とか、「路面に落ちる時には上を向いているものもあれば・下を向いているものもある…けれど、濡れた路面と花の付着力は下向きの場合の方が接触面積が多いために強く、風が吹く状況下では、次第に(落ちた花は)結果として付着力が強い”下を向いた状態”のものが多くなる」といった…たくさんの仮説を作ることができます。

 そういえば、寺田寅彦は「椿の花がうつ向きに落ちている」ことを、随筆中で度々言及したように思います。(ある状況下では)上を向いて落ちている花種もあれば、下を向き落ちている花種もあるかもしれなく。その違いを生む形状やメカニズムを考えることは、何の役に立つのかはわからなくとも、少し魅力的です。

 今朝も庭の椿が一輪落ちていた。調べてみると、一度うつ向きに落ちたのが反転して仰向きになったことが花粉の痕跡からわかる。

「曙町より(2)」寺田寅彦

 自分用に「花辞典」を作るなら、そんな辞典を自分の手で作るなら、開花時期や色といったものだけでなく「下を向いて落ちている花」と「上を向いて落ちている花」といった区別も書き入れようと思っています。…ところで、この花の名前は何でしたっけ?

「下を向いて落ちている花」と「上を向いて落ちている花」






2011-07-23[n年前へ]

住宅街の中にある「1/fゆらぎ」 

 マイ地に私たちが歩く道沿いや街中に、技術や科学を感じさせ・理系心をくすぐるモノや景色が隠れていることが多いものです。そんな景色を愛(め)で・誉(ほ)め讃(たた)えよう、というのが「理系の散歩道」というコーナーです。

 住宅街を自転車で走っていると、理系心の第六感レーダーが反応しました。そこで、周りを注意深く眺めてみると、第六感レーダーに反応していたのは小さなマンションの一階にある店に掲げられた、「1/fゆらぎ」という看板でした。

 「1/fゆらぎ」という言葉が流行ったのは、いつ頃のことだったでしょうか。90年代の中頃から後半くらいの時期、「心地良い」というキャッチフレーズで「1/fゆらぎ」を謳(うた)う扇風機やエアコンの広告をたくさん観た覚えがあります。

 今年、蒸し暑い時に扇子を仰ぐ人たちをたくさん見かけます。そんな扇子を手にする人を眺めると、「あの扇子で仰がれた風の速度はどのくらいなんだろう?」「その風で不快指数はどの程度低くなるのだろう?」などと考えてみたりします。

 今日眺めた「理系の散歩道」は、JR東神奈川から徒歩3分、「1/fゆらぎ」が建つ住宅街の遊歩道です。

住宅街の中にある「1/fゆらぎ」






2011-07-24[n年前へ]

IronRubyからKinectを使ってみる(OpenNI / OSX編) 

 RubyからMicrosoft Kinectを操作(制御)してみたくなったので、OpenNI(Ver1.1)の.NETバインディングを使い、IronRubyからKinectを操作するコードを書いてみました。たとえば、下に貼り付けてみたのは、IronRubyから深度データにアクセスするコード例です。

require 'OpenNI.net'
include OpenNI
require 'XnVNite.net'
include NITE

include System::Reflection
include System

require 'pp'

CONFIG_XML_PATH="SamplesConfig.xml"

@context=Context.new(CONFIG_XML_PATH)
@depthGenerator=nil
@depthGenerator=@context.FindExistingNode(NodeType.depth) 
status=@context.WaitAndUpdateAll() 
depthMetaData=@depthGenerator.GetMetaData()

pp [depthMetaData.XRes, depthMetaData.YRes]
pp @depthGenerator.DeviceMaxDepth
 このコードを実行すると、深度画像のXYサイズと最遠距離が、次のような具合に表示されます。
[640, 480]
10000

 動作テストはOSX上で行いました。つまり、OSX に.NET環境であるMonoをインストールし(もちろんOpenNIもここに書いてある手順に沿ってインストールし)、その上でIronRubyを動かしています。当然、Windows上でも動くと思いますが、動作確認はしていません(Windows側にはMicrosoft Research Kinect for Windows SDK betaをインストールしているので、OpenNIを入れていないのです)。

 RubyでKinectの操作・制御をする…というのは、必ずしも「上手い組み合わせ」ではないかもしれません。けれど、上のようなrubyコードを書くだけで「高度なセンサ群の塊であるKinectからデータを取得できる」となれば、面白く遊んでみたくなる人も多いのではないでしょうか。「Microsoft Xbox 360 Kinect センサー 」を買って、ずっと前に想像していた未来に来た気分になってみるのはいかがでしょうか。

2011-07-25[n年前へ]

夕暮の空に真っ直ぐ伸びる「雲の影」 

 7月17日の19時頃、東横線の綱島駅近くの川沿いで夕焼けを見上げていると、西の空と東の空を真っ直ぐ結ぶように、夕焼け空に蒼い力強く太い線が走っています。その線の起点、西の端を見ると、丹沢山地の彼方に夕日が沈もうとしています。そして、もう一端は東京湾の向こう・東北の空に向かい伸びています。そんな景色が、下に貼り付けた写真です。左の端が西の空で、北に向かって景色を眺めていて、右の端が東の空です。

 夕暮れちょうどの時間でしたから(右上に貼り付けた画像が、google Earth上で、その日・その時間・その場所から眺めた夕日の方向の景色です)、西から水平方向に差し込む赤い夕日の光を、空に浮かぶ雲が(あるいは、どこかの山が)遮ることで、こんな蒼く暗い影が空に形作られたのでしょうか。

 夕暮の空に真っ直ぐ伸びる影の根元には何があるのでしょう?7月17日の19時頃の気象レーダーを見れば、その姿が見えるのかもしれません。あるいは、地図の上に定規で線を引けば、その犯人がわかるのでしょうか。…いずれにせよ、毎日眺める景色の中には「不思議で興味深いパズル」がたくさん隠れているものだ、と思わされます。

夕空の頭上に真っ直ぐ伸びる「何かの影」夕空の頭上に真っ直ぐ伸びる「何かの影」






2011-07-26[n年前へ]

夏の朝一番には、江の島に行く。 

 ふと目を覚まし、時計を見ると午前1時過ぎです。もう一度寝ようと思っても、なぜか目が覚める一方で眠れません。…それならば、というわけで、海に登る朝日を見ようと思い、2時ちょうどに自転車に乗って(綺麗な海がある方向に向かい)出発しました。

 JR東神奈川駅近くで、路面の巨大な突起物に乗り上げてしましました。乗り上げた瞬間に両輪がパンクしてしまったので、車輪の中のチューブを交換しました。…予備のタイヤ・チューブが無い状態で走るのもどうかというわけで…予備のチューブを取りに戻り、仕切り直しで出発したのが朝の3時少し前でした。

 1時間前に眺めたはずの東神奈川駅を眺め、朝の3時40分の横浜みなとみらいを眺め、伊勢佐木町から鎌倉街道経由で鎌倉に行きました。早朝のこの道には、伊勢佐木町近くで毎日のように夜を明かす人がいて、そんな人たちの活気を感じることをできつつ・夜明け早くの街を走ることができるのが、実に心地良いのです。

 朝の4時前…ということは、今から関内の「天下一品」に向かえば、瓶ビールとこってりラーメンを夜明け前に食べる、という最高の食事ができる…という最高に心地良い・至高の煩悩を思いつきます。しかし、幸か不幸か今日は休日ではない日(それは絶対に不幸だと思うのですが)…というわけで、その煩悩をなんとか振り払い、関内を過ぎ・伊勢佐木町を通り過ぎ・戸塚を過ぎて、鎌倉に向かいます。…そして、鎌倉の通りを過ぎ、ちょうど朝の5時少し前に、江の島に着きました。

 三浦半島の向こうに登る太陽を感じつつ、「そーいや、朝日を見るために、眠さ100パーセントの体にムチを打ち、自転車に乗って出発したんだった…」と(すっかり忘れていた)当初の目的を思い出します。

 「けれど、こんなに景色が綺麗なんだから、まぁ、いいや」と思いつつ、江ノ島を過ぎた辺りで、おもむろに180°ターンします。そして、帰路は「環状2号」を走り、「こんな走りにくくて、景色の移り変わりを楽しむことができない=楽しくない道なんて、2度と走るか」と思いつつ、4時間30分振りに(ようやく)帰宅したのが6時30分。

 夏の朝には、1日が始まる前の空き時間に、(東京・横浜近郊に住んでいる人であれば)江ノ島まで行き・海を見て帰り・その後に普通の一日を始めることができます。

 右上の写真は、横浜「赤レンガ倉庫前のメキシコ・フェア」で眺めた写真です。テキーラと横浜ビールが美味しそうで、けれど、飲めなくて残念・無念な景色…です。

夏の朝一番には、江の島に行く。夏の朝一番には、江の島に行く。






2011-07-28[n年前へ]

「自炊」と「野宿」と「トイレの紙」 

 紙書類を読み取り電子化するFUJITSU ScanSnap S1500 FI-S1500を、一週間2000円という価格でレンタルしたので、数日前から「手元にある紙資料や書籍」の電子化作業をしています。つまり、いわゆる「(電子データがない書籍などのデジタルデータ化する)自炊」という類の作業を(ひたすら)しています。スキャナを返却するまでには、このままのペースで行けば、300〜400冊子(冊子)くらいを電子化することができそうです。

 作業にかかる時間コストを考えなければ、今回の電子化作業のコストは1冊子(冊)あたり10円程度という程度です。おそらく、メンテナンス料金を考えれば、「スキャナはレンタルで済まし、集中的に読み取り作業を行う」というのが、(便利さを考えず・コストだけを考えるならば)一番おトクであるように思えます。都会生活においては、車は所有するよりレンタル(シェア)する方がリーズナブルであるように、プリンタとかスキャナといった機器は、(都会に住む人であれば)所有するより共有する方がおトクであるモノになっているはず(あるいは専門業者に委託した方が良いものになっている=そういうビジネスが十分成り立つ条件になっている・分水嶺を超えている)、というのが私の認識です。

 さて、限られた時間の中で紙資料・紙書籍の電子化作業をしていると、「一体、どれから電子化すれば良いだろう?」と悩んでしまいます。

 …けれど、そんな悩みを抱える時であっても、「これは電子化しなくて良いな」と感じる類のものもあります。それは、たとえば、便利さの追求とは異なる内容・ベクトルを持つ読み物群です。

 私の愛用トイレには、ミニコミ誌「野宿野郎」が並んでいます。たとえば、こんな野宿を愛好する人たちが書く本などは、電子化したいとは思わない…いや、むしろ、電子化してしまってはツマラナイ類の本に思えます。電子書籍で野宿記録を読むなんて…何だか少し収まりが悪い組み合わせでしかないように感じます(電子化がネタとして扱われるくらいですし)。

 「深夜、学校のトイレで聞こえる”赤いマントは要らんかね?”」という声の話と同じように、「深夜、学校のトイレから、この世のものとは思われぬほど悲しげな声が響いてくる…”紙をくれ”…」という怪談ならぬ小話は、夏の山奥で誰しも聞いたことがあるのではないでしょうか。

 …そう、トイレという場所は、何より「紙」というリアルなマテリアルが活躍する場所なのです。トイレで必要とされるのは・似合うものは、電子化されたデータなどではなく手に持ちお尻を拭くことができる「紙」なのです。もしも、トイレットペーパーを使い切ってしまったとしても、トイレに本棚があれば、本棚にある書籍のページを破りさえすれば、”ノープロブレム”でコトを済ませることができます。けれど、もしもトイレの書籍も電子化されてしまっていたならば、コトをいたしたその後にトイレに紙がないと気づいたならば…それは想像するのも恐ろしい事態です。

 iPadやiPhone/androidはトイレットペーパーの代わりはできない、のです。「いざ」という状況に似合うのは、トイレットペーパー(あるいは、その代わりになる書籍)と水なのです。

「自炊」と「野宿」と「トイレの紙」「自炊」と「野宿」と「トイレの紙」「自炊」と「野宿」と「トイレの紙」






2011-07-29[n年前へ]

iPad版(電子書籍版)『論理的にプレゼンする技術』 始めました。 

 ソフトバンククリエイティブ新書『論理的にプレゼンする技術』 iPad版(電子版)の販売が開始されました。2011/07/29~2011/08/11までは、通常価格700円ナリのところ450円の「持ってけドロボー!のバナナ叩き売り」を行っています。iPadユーザの方にもしもご覧頂けたなら、著者として、少しうれしく思います。

 いつの間にか、アナログTV放送がほとんどの地域で終了し「テレビは地デジ」の時代になりました。だから、先週の「燃えないゴミ」には「(もう使えないゴミになった)TVアナログ・チューナ」をゴッソリ出しました。すべて過去の遺物になりました。 アナログレコードからCDに移行した時も、VHSビデオテープからDVDに、そしてブルーレイに移行した時も、ずっと親しんでいたはずのモノとの「別れ」は、意外なほどにアッサリとやってくるものです。

 過去の技術から未来の技術に移行するに際して、必ずしもすべての特性がより良くなるとは限りません。全体のバランスから見れば、次に来る技術の方が(過去の技術に比べてみれば)良いとはいえど、いくつかの点においては消えていく過去のモノの方が良い、ということもよくあるものです。…それでも、時代はその姿を変えていきます。

 家に配達する「新聞」というシステムは、ある購読者数の閾(しきい)値を下回った瞬間から持続し得なくなる、という話を聞いたことがあります。新聞の購読者がある程度まで減ってしまうと、各家庭まで新聞を配達システムを持続させるためのコストを補うことができなくなり、ドアのポストに新聞が届けられるというシステムは成り立たなくなる、というわけです。その変化にともなって、その技術・機器の変化に伴って、私たちの生活は変わります。

 ソフトバンククリエイティブ新書『論理的にプレゼンする技術』が電子書籍になりました。電子書籍、はじめました。