2012-05-15[n年前へ]
■鉄分100%ミステリー「列車LED表示の鏡文字のナゾを解け!」
鉄道ホームから発車しようとする列車を撮影したら、「なぜか、(行き先や)列車名の表示が鏡文字になっていた」という写真を見ました。
流し撮りに失敗した写真,よく見たらLED表示器の文字が鏡文字になってた。ダイナミック表示なので妙な写り方になるのは分かるけれど,どうなれば文字が反転するんだろう?というわけで、今日のお題は、鉄道大好きな鉄っちゃん、つまり血液中の鉄分濃度100%な人のためのミステリー「列車LED表示の鏡文字のナゾを解け!」です。
@kunukunu
こうした「LEDがマトリクス配置された表示板」は、全部のLEDを一度に点灯させるのではなくて、順々に「順次点灯」されていきます。「2次元画像として」一度に表示しているのではないので、撮影条件によっては鏡文字の2次元画像に見えることもありそうです。…そこで、どのような撮影条件になった時に、こんな「鏡文字」になるかどうかを考えてみることにしました。
この写真を眺めると、窓から顔を出す制服姿の人がいるので、列車の最後尾を撮影したものであることがわかります(発射時に列車の窓から顔を出すのは、最後尾車両にいる車掌さんです)。ということは、この列車は右から左へと動いています。また、列車表示板の点灯制御は(横方向に)何分割かされていて、その横分割幅と表示された文字の幅が(偶然なのか)ほぼ一致していることもわかります。
(中略)結論から言えば、こんな鏡文字表示の「列車表示板」に (自然に)見えるのは、次ような条件を満たす場合です。
- 列車表示板の点灯制御が(横方向に)分割され、その分割幅と表示される文字幅が”ほぼ”一致していること(そうしないと、文字が”反転”した際に文字間でシャッフルが起きてしまう)
- 列車表示板の点灯制御の横方向分割幅が、眺める視界に対して”十分小さいこと” (そうでないと、見るからに「ブレ」た写真になる)
- 撮影時間(シャッター時間)の間に(列車の速度とカメラ流し撮りの速度合計として)画面内の列車移動変位量が列車表示板の横分割幅の2倍と”ほぼ”一致すること
というわけで、その「推理」を可視化するためにエクセルで作ってみた「シミュレーションファイル」がこちらです。点灯分割幅・点灯速度や列車移動速度や、流し撮り速度を変えた時、任意の画像が「どのように見えるか」を画像として確認することができる「エクセルファイル」です。条件次第では、LED表示文字が(エクセルファイルに埋め込んだデフォルト文字の場合には、「やまびこ」という文字が)「鏡文字」として見えることがわかります。
また、上記条件を導き出す推論からは、「撮影画像には、文字幅とほぼ同じ程度の横ぶれが存在しているはず」という予想が出てくるのですが、実際の画像を見た感じでも「その程度の横ぶれ(流し撮りズレ)」があるかな…と(推論と実画が矛盾しないという)確認もできます。
ということで、今日は、鉄分100%ミステリー「列車LED表示の鏡文字のナゾを解け!」に対して、ヘッポコ推理をしてみました。